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超高齢社会の医療とシステム(2)
フィールドでの実証研究を通して、超高齢社会のあるべき姿を追及

2009/08/24
東京大学高齢社会総合研究機構教授 辻 哲夫氏

図5 国際連携(東京大学高齢者総合研究機構設立構想より)

─高齢社会総合研究機構のミッションには千葉県や福井県をフィールドにした実証研究の他にもいくつかのミッションがあると聞いています。それらについてお教えください。

辻:千葉県・柏市の豊四季台地域あるいは福井県での実証研究では、超高齢社会に向けた課題解決型の研究を行い、エビデンスにもとづいた政策提言を行っていきますが、教育面では、学部横断型の教育カリキュラムを充実させ、多くの学生にジェロントロジーを学んでもらい、超高齢社会を担う人材を官庁や産業界に送り出します。また、欧米やアジア諸国の研究者らとの幅広いネットワークを構築して人口の高齢化というグローバルな課題解決のための国際的な拠点を形成します。

 これまで高齢者研究を牽引してきたのは欧米ですが、アジア諸国との連携を強化してジェロントロジー研究教育のアジアの拠点をめざします。そして、もう1つは、企業との産学連携を推進します。

─産学連携のお話がありましたが、ミッションを達成するためには産官学の連携が不可欠のように思われます、最後に、産官学の連携についてどのような構想をお持ちですか。

辻:超高齢社会についてのイメージを踏み込んだ形で共有することができれば産学連携はそれほど困難ではないでしょう。産業界との連携に関しては約30社の企業が参加したジェロントロジー・コンソーシアムを形成して超高齢社会に向けた共同研究が動きだしています。すでに、数回の勉強会を重ね、夏には各企業からの参加を得て合宿を行います。そこで徹底的に議論を重ね、将来に向けたロードマップづくりを目指します。

 私たちが直面している「超高齢社会」の課題は、私たち1人ひとりの課題ですが、その課題の前で立ち往生してしまったのでは、次の時代を迎えることはできません。夢に向かうのと夢を持たないのでは、その出口はまったく違ったものになります。

 超高齢社会における幸せとは何かを考え、私たち1人ひとりがその夢に向かってチャレンジしていきたいと思うのです。

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