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超高齢社会の医療とシステム(2)
フィールドでの実証研究を通して、超高齢社会のあるべき姿を追及

2009/08/24
東京大学高齢社会総合研究機構教授 辻 哲夫氏

東京大学高齢社会総合研究機構教授 辻 哲夫氏

 2009年4月に設立された東京大学高齢社会総合研究機構は、日本発の高齢社会課題に学際的に取り組む研究・教育拠点である。加速する世界の高齢化、特にアジア圏での著しい高齢化のフロントランナーである日本。そうした自覚のもとに、同機構は超高齢社会における課題解決のためのプロジェクトを立ち上げた。同機構のミッションはいくつかあるが、1つは千葉県・柏市と福井県をモデル地域とした超高齢社会の実証研究。
同機構教授の辻哲夫氏らは、これらの地域をフィールドにして都市型あるいは地方型の超高齢社会の社会システムを研究する。「生活のあらゆる面にわたってジェロントロジー(老年学)の知を結集します。産官学が超高齢社会のイメージを共有して、人々が幸せに、安心して生活できるモデルをつくる」と、辻哲夫氏は語る。

(聞き手:日経BPクロスメディア本部プロデューサー 阪田英也 構成:21世紀フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒)

千葉県柏市の豊四季台団地をモデルケースに、超高齢社会のシステムを研究

─東京大学高齢社会総合研究機構は総長室直轄の組織で、全学をあげての研究協力体制が敷かれているそうですね。まず研究の基本理念についてお聞かせください。

図1生活のあらゆる側面に関わるジェロントロジー
(秋山弘子先生講義ノート PDF No.1http://ocw.u-tokyo.ac.jp/courselist/609.html?teachcat=2 より)

辻:研究の基本理念は“Aging in Place”です。すなわち住み慣れた所で自分らしく老いることができる社会の実現をめざします。そのためには、さまざまな研究領域と協力することが必要です。

 ジェロントロジー(老年学)は、高齢者や高齢社会の諸問題を解決するために生まれた学際的な学問ですが、図1でおわかりのようにジェロントロジーは、生活のあらゆる側面に関わっています。

 このジェロントローを横軸にこれまで領域別に蓄積されてきた知を結集して学際的に課題解決に取り組む研究体制をとります。さらに、課題解決に取り組める人材の育成に取り組むとともに、融合した知を、新たな社会システムの創生、政策提言に生かし、産業界との協働など、複数のソースから社会に発信する産官学の連携体制の構築をめざします。

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