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医療のグローバル化と、重みを増す医療情報。さまざまな工夫で、日本の医療を世界水準に

2009/08/01
アイ・エム・エス・ジャパン代表取締役社長 佐伯達之氏

というのも、薬の開発を含めて、医療の世界はとっくにグローバル化しているからです。先ほどのDSURの話でもわかるように、グローバルスタンダードな視点で、医薬品を開発していかないと、日本の製薬企業は早晩、淘汰されてしまうでしょう。医師、薬剤師など医療者も、常日頃からグローバルな情報を得る努力が必要とされます。今では患者さんが先に、インターネットを通じて最新情報を得てしまう時代なのですから。

IMSはグローバル企業ですから、そうした医療に関するグローバルな視点の提供という面で多少でもお役に立てるのであれば、何でも喜んでやらせていただきたいと思っています。

―「Good Doctor Net」では、若い医学生・研修医向けのサイトも近く、スタートする予定です。最後に、そうした若い医学生・研修医、さらに若い医師向けにメッセージをお願いできますか。

佐伯 日本の若い医師は、もっと積極的に、欧米の進んだ医療を勉強しに行って欲しいと思いますね。例えば私の経験では、米国の医師と、日本の医師では、診療のやり方がずいぶん違う印象があります。米国の医師はあまり薬を出しません。それに比べて日本では、たくさんの薬が処方されます。しかも、ジェネリック医薬品を、あまり積極的に使わないという体質が、日本には根強く残っています。

また外科の手術にしても、米国では、できるだけ開腹せずに、内視鏡下で手術を行う方向になっています。昔の開腹手術では、その後に1カ月入院しなければならなかったものが、内視鏡下の手術では、2~3日の入院で家に帰れる。こうした医療の方法、体質を改めるだけで、医療費もずいぶん節約になるのではないでしょうか。

―米国の医療の優れた点を大いに学ぶべきだと。

佐伯 もちろん、米国の医療にも問題のあるところはたくさんあります。しかし、本当にベストの治療を受けようと思ったら、世界中の金持ちが、米国に集まってくるという現象がある。米国の医療が、それだけ進んでいるからです。だから、昔のフルブライト基金のような形で、政府とか企業が積極的に支援して、若い医師を、米国を始めとした海外に留学に出してあげるのも一考であると思います。それも一握りではなく、大量にです。

フルブライト基金の場合でも、海外で学んで帰国した若者が、その後の日本の高度成長に、どれほど大きく寄与したかわかりません。いま海外で、進んだ医療を何年か勉強して、帰国した若い医師たちが、日本の医療を根元の日常的なところから改革してくれれば、どうなるでしょうか? 日本の医療はどんどん進むし、なおかつコストは大幅に節減できるはずだと、私は思います。

当然、保険料はセーブできるし、患者は医療のハッピーな面を享受できる。全部がいい方向に回ります。それをやらないで、局所的なところだけをあれこれいじっても、そんなに簡単に現在の医療が良くなるとは、私には思えないのです。迂遠なようで、実は一番の近道は、グローバルな医療を肌で体験した若い医師たちが、現場に増えていくことではないでしょうか。

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