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日本の医療は、医師の「倫理観」で支えられている (2)

2009/04/30
東京慈恵医科大学附属病院 院長 森山 寛 氏

聞き手:日経BPクロスメディア本部プロデューサー 阪田英也
構成:21世紀医療フォーラム取材班 編集長 桶谷仁志

東京慈恵医科大学附属病院 院長
森山 寛 氏

「医師の育成」をめぐる課題は幅広い。医学部在学中の卒前教育、臨床研修などの卒後教育、さらに現役医師の生涯教育までを俯瞰して、育成環境=医療現場の環境改善も視野に入れる必要があるからだ。21世紀医療フォーラムでは、「医師の育成」研究部会の座長をつとめ、「患者が医師を育てる」が持論の東京慈恵医科大学附属病院 院長 森山 寛 氏に、日本において、あるべき「医師の育成」の姿について聞いた。2回目の今回は、臨床研修を含む卒後教育、そして一人前の医者となってからの生涯教育がテーマ。

医師の生涯学習を助ける目的での、医師免許の更新制を

――卒前教育では、5~6年時の臨床実習もありますね。ポリクリとか、クリニカル・クラークシップなどと呼ばれますが。

森山 医学生の医行為ですね。その段階になって、患者の協力という問題が出てきます。CBT (Computer Based Testing)をクリアするレベルで、ある程度の医療知識を持っていると認められた医学生の医療行為に対しては、米国でも英国でも、患者は協力的です。

 医療保険制度の違いもある欧米では、「次の世代も、現在と同じような医療サービスを受けられるようにするためには、何をすべきか」という意識が比較的浸透しているからです。日本では、まだまだそこまでの意識はないし、大学病院とか都内の基幹病院の場合だと、患者もそれなりに難しい疾患で来ていますから、医学生が診るような状況はつくりにくいのです。

 そこで一般の市中病院や診療所に、実習を振り分けるという取り組みがされています。例えば、東北大学の耳鼻咽喉科では、2週間の臨床実習があれば、そのうち2~3日は東北大出身の開業医の先生にお願いして指導してもらっています。開業医は、昼飯付で朝から晩まで、後輩の医学生をアテンドしてくれる。

 もちろん、コアの部分の教育は大学病院でやるのですが、開業医の先生に何日かお願いすると、大学病院とは違って、もっと身近な患者との関係が体験できる。患者も、開業医の先生を信頼しているから、その後輩だということで、協力的になるようです。

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