
図5(厚生労働省 医政局 指導課)
全国規模でみると、2004年から2006年の相談実績は、34,000件から141,000件と4倍以上に増加している。その内訳は「すぐに医療機関に行くように指示したもの」が13~14%。そのうち救命センターに行くような重症例は0.2~0.3%と少ない。「翌日かかりつけ医へ行くように指示したもの」が14~19%、「心配はないが何かあれば医療機関に行くように指示したもの」が20数%。つまり、軽症例が40%強、あとは育児相談が40%以上で重症例はまれにしかないということだ(図5)。
電話相談の効果判定は、プライバシーの保護の問題があって難しい。しかし、これまで地方医師会などが行った患者家族へのアンケート調査では、看護師主体の電話相談が、母親の不安解消や緊急時の対処の助言として役立っているというデータが出ている。

土浦協同病院小児科 渡部誠一氏
#8000の周知度は、都市部に比べ地方で低いことが問題となっているが、最近は各都道府県がホームページに載せたり、母子手帳に電話相談のカードをはさみ込んだりして広報に努めている。厚労省も来年度から母子手帳に、#8000の情報を記載する計画を進めている。
厚労省科学研究「小児救急のあり方に関する研究」で、協力者として加わっている土浦協同病院小児科・渡部誠一氏は、
「電話相談事業は2004年に始め、今年で4年近くが経ちました。これまでを第1段階ととらえると、『周知度の上昇とともに電話がつながりにくくなった』『相談員の確保が難しく、9県が民間委託をしている』など、その問題点、改善を要するポイントが明らかになってきました。これからは第2段階として、相談員の質を確保するために、『研修システムやマニュアルを整備する』『人員確保や効率を上げるために、集中処理する全国センターを設ける』なども検討していきたいと思います」と、電話相談事業の今後を展望している。