
図2(厚生労働省 医政局 指導課)
すぐ、病院に行くべきか、翌日でもよいのかをアドバイスしてくれるので、それだけでも、母親は大助かりだ。また小児の病気の中には、軽症に見えることで受診をためらっている間に、症状が悪化してしまうものもあるので、専門家の意見を聞くことが大切だ。
保護者向けの小児救急電話相談事業は、すでに広島県など一部の自治体が独自に行っていたが、#8000はそれを厚生労働省が2004年から都道府県に補助金を出して、全国的に展開したものだ。
2009年2月1日の時点で富山県と沖縄県を除く45都道府県が導入している(図2)。19時から23時くらいまで相談を受け付けている所が多いが、福島、大阪、長崎、大分の4府県は翌朝8時まで実施している。

図3(東京都福祉保健局 少子社会対策部 子ども医療課)、図4(東京都福祉保健局 少子社会対策部 子ども医療課)
運営体制は自治体によって異なるが、看護師が主体となり、医師は携帯電話で連絡というところが多い。相談を受け付ける看護師や医師の確保が難しいので、地方の医師会が輪番で対応しているところ、東京の民間会社に業務を委託しているところもある。
東京都の例を紹介しよう(図3)。相談員は保健師、助産師、看護師という資格を持つだけでなく、相談業務や病院勤務などの経験があるベテランだ。まず、相談員が対応し、医師の助言が必要な場合、また相談者がどうしても医師と話したいというケースは医師に転送している。
17時に相談を開始すると、一斉に電話がかかってくる。22時までのアクセス数は1日60件前後、年間で2万件程度だ(図4)。症状で多いのは、下痢、嘔吐といった消化器の訴え、次が発疹など皮膚的な疾患、そのあとカゼ、熱と続く。