日経メディカルのロゴ画像

「#8000」、「こどもの救急」を知っていますか?(2)
~母親の不安解消に役立つ電話相談、インターネット

2009/04/21
取材:21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕

東邦大学医療センター大森病院小児科准教授 松裏裕行氏

 日本小児科学会でこのプロジェクトを中心となって担当した医師の1人、東邦大学医療センター大森病院小児科准教授・松裏裕行氏は、メッセージの真意を次のように補足する。

 「これは病院へのアクセスを制限する、ということではありません。軽い病気なのに、わざわざ病院まで出かけていって、何時間も待ち、1回分の薬をもらうなどの非効率な受診をしないて済むようにする。それが患者さんのためにもなるし、小児科医の夜間救急外来での負担軽減にもつながります。このメッセージが奏功して、軽症の小児患者の「小児救急」への受診を減らせば、小児の重症患者に割く時間を増やして医療の質を上げられます。そして、それが医療事故防止にもつながるのです」。

 母親のための救急&予防サイト「こどもの救急」は、生後1カ月〜6歳までの小児を対象にしている。制作にあたって、一番こだわったのは、どういう方針で作るかというコンセプト立てだという。

 まず、病気の説明をするよりも、「自宅で様子をみてよいのか」それとも「病院に行った方がよいのか」という、判断に主眼を置いている。

 例えば、吐き気をクリックすると、さらに「生後3カ月未満である」「何度も繰り返し吐く」「がまんできないほどの激しいおなかの痛みを訴える」・・・といった項目が示され、該当する項目にチェックを入れ、「結果をみる」というボタンを押すと、症状に応じて、「おうちで様子をみましょう」、「自家用車・タクシーで病院に行く」、「救急車で病院に行く」という3つの選択肢の内1つが出るようになっている。

 次はケースを絞り込んで、簡潔にしたことである。ヤケドでも、熱湯をかぶったら、慌てて病院に駆けつけるし、けいれんが止まらない赤ちゃんの場合も救急車を呼ぶので、それらは最初から省いてある。救急外来でみる機会が多い、「発熱」、「けいれん・ふるえ」、「吐き気」、「泣き止まない」、「ウンチが変」などといった気になる19の症状が並べてある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップページリポート 医療の現場から > リポート 医療の現場から 新着一覧

リポート 医療の現場から 新着一覧

  • 地域医療の崩壊は食い止められるか 銚子市立総合病院「休止」と「再開」の狭間で(1)(2009年7月17日)
    ノンフィクションライター 田中幾太郎

     全国各地の自治体病院が苦境に陥っていると言われてから久しい。だが、根本的な解決策はまったく見いだされず、大半の施設は相変わらず、医師不足や累積赤字に悩まされている。昨年10月に診療を停止した銚子市立総合病院も、地元住民の願いに反して、8ヵ月以上が経過した今も再開の目処は立っていない。同病院のケースは多くのメディアでも採り上げられ、世間の注目を集めたが、なぜ、ここまで追い詰められたのか、背景に横たわる複雑な事情が正確に伝わっているとは言い難い。これから3回にわたって、その裏に隠された真相を洗いだしながら、地域医療復興へのヒントを探ってみたい。(続きを読む

  • 「きちんと知りたい妊娠の心得11カ条」 (2009年5月30日)
    21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕

     「セックスをしたら妊娠します」「この男の子供を産むためなら死んでもいい!と思うような男の子供しか妊娠してはいけません」・・・・・・など、タイトルだけ読むと、当たり前のことばかり並べた「きちんと知りたい妊娠の心得11カ条」(表1)が話題を呼んでいる。 書いたのは、川崎医科大学産婦人科非常勤講師・宋美玄氏。今年で産婦人科医になって9年目の女性医師だ。学生時代には、21世紀医療フォーラムの代表世話人である大阪大学副学長・門田守人氏に薫陶を受けたという。(続きを読む

  • 「#8000」、「こどもの救急」を知っていますか?(2)(2009年4月21日)
    取材:21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕

     発熱や下痢、嘔吐・・・子どもが急に具合が悪くなることはよくある。それも夜間や休日、病院がやっていない時に限って起こったりする。今は核家族化が進んでいるから、近くに相談相手になってくれる年寄りもいないし、少子化で、育児の経験が乏しく、母親は不安に駆られる。 あわてて24時間対応の救命救急センターに飛び込むと、すでに同じような子どもを抱えた母親でいっぱいだ。長時間待たされることで、みんな殺気立っている。コンビニ受診*という後ろめたさも脳裏をよぎる・・・。 今回は、そんな母親の悩みを解消してくれる行政側、医療側の取り組みを紹介する。<br />*コンビニ受診:緊急性がなく軽い症状なのに、夜間/休日に病(続きを読む

  • 「#8000」、「こどもの救急」を知っていますか?(1)(2009年4月14日)
    取材:21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕
  • 「救急」〜医師不足をどうやって補うか(2)(2009年3月25日)
    帝京大学ちば総合医療センター救急集中治療センター
  • 「救急」〜医師不足をどうやって補うか(1)(2009年3月7日)
    帝京大学ちば総合医療センター救急集中治療センター

この記事を読んでいる人におすすめ