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「救急」~医師不足をどうやって補うか(2)
救急医療現場の取り組みを追う

2009/03/25
帝京大学ちば総合医療センター救急集中治療センター

医療側の取り組み

 では、社会の変化に対して医療側はどのような取り組みをしているのだろうか。
 その一つがERだ。ERと救急とはどこが違うのか一瞬とまどったが、ERというのは、入院患者は診ずに、救急外来に来た患者だけを軽症から重症まで診るシステムだという。簡単な患者はそこで処置して帰す。重症の場合は、専門医を呼んで一緒に診察し、入院の必要がある場合は、専門医に引き受けてもらう。

「今の世の中の状況に合わせて、夜でもきっちりとした診療体制をとるには、ERのように夜間専門で診る医師がいるというのが合理的です。しかし、悩みは一向に人手が増えないことです。現在、当院では准教授の山下先生がやっていますが、1人でやっていたらやはり週3回が限度。5時から翌日朝9時まで16時間。これを週3回やるともう48時間。それ以外にいろいろ会議などの拘束時間があるから大変です。

 今までも若い人がついて一緒にやったことがありますが、結局そういう人たちが居着きません。別の病院の話ですが、ERに出向させられた外科の若い先生が、手術をやりたくて外科医になったのに、何でこんな自分のキャリアアップに繋がらない仕事をやらなければならないのかと、ぼやいていました。現在、全国でかなりの病院がERを開設しているようですが、きちんと機能しているのは私の知る範囲では、福井大学の寺沢秀一先生の所くらいではないでしょうか」(福家氏)

 米国では基本的にERの現場というのは、卒業して5〜6年目までの医師がやり、経験豊富な専門医たちは家に居て、電話で指示をするシステムになっているそうだ。ところがわが国では医学教育の問題などで、若い医師がそこまで育たないので、年配の医師がいつまでも頑張ってやることになる。彼らはやる気も技術もあるのだが、体力だけは確実に落ちていく。ERのシステムを考える際も、並の体力や並の頭脳の医師が、普通の努力をして成り立つものを考えなければ、長続きしないのだという。

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リポート 医療の現場から 新着一覧

  • 地域医療の崩壊は食い止められるか 銚子市立総合病院「休止」と「再開」の狭間で(1)(2009年7月17日)
    ノンフィクションライター 田中幾太郎

     全国各地の自治体病院が苦境に陥っていると言われてから久しい。だが、根本的な解決策はまったく見いだされず、大半の施設は相変わらず、医師不足や累積赤字に悩まされている。昨年10月に診療を停止した銚子市立総合病院も、地元住民の願いに反して、8ヵ月以上が経過した今も再開の目処は立っていない。同病院のケースは多くのメディアでも採り上げられ、世間の注目を集めたが、なぜ、ここまで追い詰められたのか、背景に横たわる複雑な事情が正確に伝わっているとは言い難い。これから3回にわたって、その裏に隠された真相を洗いだしながら、地域医療復興へのヒントを探ってみたい。(続きを読む

  • 「きちんと知りたい妊娠の心得11カ条」 (2009年5月30日)
    21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕

     「セックスをしたら妊娠します」「この男の子供を産むためなら死んでもいい!と思うような男の子供しか妊娠してはいけません」・・・・・・など、タイトルだけ読むと、当たり前のことばかり並べた「きちんと知りたい妊娠の心得11カ条」(表1)が話題を呼んでいる。 書いたのは、川崎医科大学産婦人科非常勤講師・宋美玄氏。今年で産婦人科医になって9年目の女性医師だ。学生時代には、21世紀医療フォーラムの代表世話人である大阪大学副学長・門田守人氏に薫陶を受けたという。(続きを読む

  • 「#8000」、「こどもの救急」を知っていますか?(2)(2009年4月21日)
    取材:21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕

     発熱や下痢、嘔吐・・・子どもが急に具合が悪くなることはよくある。それも夜間や休日、病院がやっていない時に限って起こったりする。今は核家族化が進んでいるから、近くに相談相手になってくれる年寄りもいないし、少子化で、育児の経験が乏しく、母親は不安に駆られる。 あわてて24時間対応の救命救急センターに飛び込むと、すでに同じような子どもを抱えた母親でいっぱいだ。長時間待たされることで、みんな殺気立っている。コンビニ受診*という後ろめたさも脳裏をよぎる・・・。 今回は、そんな母親の悩みを解消してくれる行政側、医療側の取り組みを紹介する。<br />*コンビニ受診:緊急性がなく軽い症状なのに、夜間/休日に病(続きを読む

  • 「#8000」、「こどもの救急」を知っていますか?(1)(2009年4月14日)
    取材:21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 森 裕
  • 「救急」〜医師不足をどうやって補うか(2)(2009年3月25日)
    帝京大学ちば総合医療センター救急集中治療センター
  • 「救急」〜医師不足をどうやって補うか(1)(2009年3月7日)
    帝京大学ちば総合医療センター救急集中治療センター

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