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分業化が必要な時期に来ている日本の医療

2009/07/30
医師・作家 米山公啓

 どこかの評論家が「これは医師の志が低いからだ」と言っていたが、それこそ大きな間違いである。医師は辛い仕事も、安い給料でよく働き、患者のためにすべてを捧げることこそ、本来の姿である、そんなイメージを明治以降ずっと作り続けてきた。その影には、医局制度の頂点に立つ主任教授の権力や権限が大きく影響していたに過ぎなかったのだ。

 主任教授の権限が制限された今は、医師の適正な配置をだれかが、コントロールしなければならない。そいう意味では、政府の方針は正しいだろう。さらに広げれば、開業医の数なども地域によっては非常に偏っているので、それも規制をかけるべきだろう。

 しかし、医師というのは自由がある職業と思われてきた。それが職業としての魅力でもあったはずだ。実際には法的に与えられている権利ではないが、処方、入院、治療、検査などほとんどのことを医師が決定しなければ、医療は行うことができない。

 だからこそ医師会などは、医師以外の医療従事者が、何か決定権を持つことを非常に嫌がるのだ。主任教授の権限の制限の次は、医師自体の権限の制限、あるいは仕事を分けることも必要な時期ではないだろうか。

 PTやOTが開業できれば、在宅でのリハビリなども非常にやりやすくなるだろうし、看護師が開業できれば、看護師はより魅力的な職業になるだろう。薬剤師がジェネリックへの切り替えの権限を持てば、医療費増大の抑止にもなる。

 医師がすべての決定権を持っていることは、むしろその弊害のほうが大きくなっている。医療の分業化は、医師会の強烈な反対が起きそうであるが、世界の医療の流れは、分業になっている。医療はだれが得すればいいのか、原点に戻って考えてみるべきだ。

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米山公啓のニュースの読み方 新着一覧

  • 分業化が必要な時期に来ている日本の医療(2009年7月30日)
    医師・作家 米山公啓

     財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は医師不足の解消に向けた改革案を提言する。医師になる際に選ぶ診療科(内科や外科など)の規制や、看護師の医療行為を広げることなどが柱。医療機関向けの診療報酬が年末に改定されるのを前に、医療サービスを効率的に提供する体制づくりを優先させ、引き上げ論をけん制する狙いもある。(続きを読む

  • 末端の開業医には、パンデミック情報は、何も届いていない。(2009年7月13日)
    医師・作家 米山公啓

     新型インフルエンザの発生国に渡航していないなど感染の疑いがないのに発熱患者の診察を拒否する医療機関が相次いでいる問題で、厚生労働省は7日までに、都道府県を通じて医療機関に対し、適切に診察することを求める通知を出した。 発熱などの症状を示した人への診察拒否については、東京都が6日正午までに都内で173件あったことを確認。舛添要一厚生労働相は6日に開かれたインフルエンザに関する対策会議で「医師法違反だ。医者の社会的義務として対応してほしい」と求めた。 同省の通知では、発熱患者が保健所などの発熱相談センターの指示に従って一般の医療機関を受診した場合、患者にマスクをするなど感染予防を指導したうえで、診察を(続きを読む

  • 県境を超えた医療福祉の連携。まずは実践的な病院情報の発信を(2009年5月25日)
    医師・作家 米山公啓

     首都圏1都3県の知事と政令市長でつくる8都県市首脳会議が23日、東京都内で開かれ、医療福祉分野での連携強化で合意した。救急医療機関の情報システムや搬送システムの相互乗り入れで県境を越えた患者の搬送の円滑化などを検討する。救急医療や周産期医療から着手し、将来はコンソーシアム(連合体)の形成も視野に入れるとしている。 会議では、埼玉県の上田清司知事が「医療政策は都道府県単位だが、首都圏では患者の出入りが頻繁で、県境では他県の病院の方が近いというケースもある」と指摘。患者のたらい回しなどが問題となっている救急医療や周産期医療などから連携を強めるべきだと提案した。(中略) 東京都の石原慎太郎知事は「県境(続きを読む

  • 日本医療事務センター、医師の事務補助者を派遣。まず養成講座開設(2009年5月14日)
    医師・作家 米山公啓
  • 強制的派遣で研修医を地方へ誘導しても、研修医の過重労働は変わらない(2009年4月7日)
    医師・作家 米山公啓
  • 国立国語研が「イレウス」「QOL」など57語について提案(2009年3月27日)
    医師・作家 米山公啓
  • 日本医師会が「第3回 喫煙意識調査」の結果を発表。(2009年3月7日)
    医師・作家 米山公啓

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