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末端の開業医には、パンデミック情報は、何も届いていない。

2009/07/13
医師・作家 米山公啓

新型インフル、発熱患者適切診察を、
厚労省――相次ぐ拒否、都内173件。

 新型インフルエンザの発生国に渡航していないなど感染の疑いがないのに発熱患者の診察を拒否する医療機関が相次いでいる問題で、厚生労働省は7日までに、都道府県を通じて医療機関に対し、適切に診察することを求める通知を出した。
 発熱などの症状を示した人への診察拒否については、東京都が6日正午までに都内で173件あったことを確認。舛添要一厚生労働相は6日に開かれたインフルエンザに関する対策会議で「医師法違反だ。医者の社会的義務として対応してほしい」と求めた。
 同省の通知では、発熱患者が保健所などの発熱相談センターの指示に従って一般の医療機関を受診した場合、患者にマスクをするなど感染予防を指導したうえで、診察を拒否しないよう求めた。
 一方、発生国への渡航歴がある発熱患者が一般の医療機関を受診した場合は、発熱相談センターに相談し、同センターが必要に応じて紹介する医療機関を受診するよう勧めることを求めた。(日本経済新聞 2009/05/07付夕刊より)

 こういったパンデミック的な事態を予測していながら、実は医療の最前線であるはずの開業医がどう対処したらいいのか、ほとんど考慮されて来なかった。

 開業医をしている私のところに、FAXできた医師会などからの連絡は、「発熱患者は、保健所に相談するように指導し、直接医療機関を紹介しないように」というようなもので、まったく意味不明のものだった。そんな意味不明のことを言われても、発熱した患者が待合室に入ってしまえば、他の患者に感染させる危険がある。診療拒否をするなと言われても、他の患者を守るという意味であれば、待合室に入れないほうが、感染を防ぐという意味ではいいだろう。

 むしろ、そういう危険な患者を診療しないというのは、自分のところに来ている患者を守ることにもなるし、医者自身を感染から守るということになる。本物のパンデミックになれば、医者の労働力は足りなくなるだろうから、まずは医者の健康を守るほうが結果的に多くの人を救えるのではないだろうか。診療拒否の権限のない、日本の医者の弱い立場のほうがむしろ、医療のためを考えるなら問題ではないだろうか。

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米山公啓のニュースの読み方 新着一覧

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