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強制的派遣で研修医を地方へ誘導しても、研修医の過重労働は変わらない

2009/04/07
医師・作家 米山公啓

時代は変わっても研修医の役割は同じ

 今回の都市部の研修医の数を制限し、地方の枠を手厚くするという改革は、結局は、研修医はあくまでも安い労働力として使いたいということを明確にしたに過ぎない。地方でも研修医の教育がきちんとできる病院があれば、何もこんな枠組みは必要ないからだ。

 半ば強制的に、多少の研修医は地方へ行くようになるのかもしれないが、研修医制度そのものはなんの改革にもならず、良い医者が作れるようになることとはまったく意味が違う。

 新研修医制度によって、大学病院から研修医がいなくなったために、地方の医療が崩壊した。医療というものに、市場原理を持ち込むと、こうなってしまうといういい見本のように思う。つまり給料がきちんと払われるとか、指導者が多くいる就業環境のいいところへ就職するという、他の業種では当たり前のことが起きたに過ぎない。

 研修医制度の問題は、研修医をきちんと育てる環境がなく、ただの安い労働力としてしかみていない医療現場に問題がある。医療は市場経済ではなく、どこかに管理するシステムはもちろん必要であろう。だからといって、半ば強制的派遣のようなことで、研修医を地方へ誘導していくというのは、本末転倒であり、研修医が過重労働下に置かれる状況は、なんら解消されないだろう。

 新研修医制度になって、どこまで研修医のレベルが上がったのか、それを示していく必要がある。制度改革だけで、何も変わっていないというのであれば、いっそうのこと、研修医制度など廃止したほうがいい。そして卒業時に、一般的な臨床能力と技術を身につけた医者を送り出せる医学教育システムにすべきではないだろうか。少なくとも点滴が上手な医者を、臨床現場の即戦力として送り出したほうが、受け入れる現場としても、よほどありがたいだろう。

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