研修医、都市から地方へ。地域別定員枠、5都府県で削減
厚生労働省は2日、2010年度に研修を始める医師から導入される新たな臨床研修制度について、都道府県ごとの募集定員の上限案を公表した。研修医の都市部集中を解消するため、東京、神奈川、京都、大阪、福岡の5都府県の定員を08年度の採用実績と比べて削減。大阪の削減幅は最多の61人にのぼった。逆に医師不足に悩む地方の定員を採用実績の2~3倍にして研修医の地方誘導を狙う。
研修医の募集定員は従来、病院側が自由に設定可能で、全国の定員総数は応募する応募者の約1・3倍まで膨らんだ。医学生にとって売り手市場となり、都市部の人気病院に研修医が集中。大学病院の医師が減少し、大学医局からの医師派遣が減ったことが地方の医師不足を顕在化させたとされる。
そこで同省は定員総数を1・1倍程度に削減するとともに、都道府県ごとの上限も導入。都市部の病院を「狭き門」にすることで、若手医師が地方の大学病院や中核病院で研修するように促す。
(日本経済新聞 09年3月3日付記事から)
研修医は安い労働力の供給源
私の研修医時代を考えると、いまの研修医は比較にならないほど忙しい。学ぶべきことも多くなっている。私が研修医のころ、新しい入院患者は順番で受け持っていたが、時には一週間、新患を受け持たないこともあった。しかし、いったん重症患者を受け持つと、ほとんど家に帰れない状況が続いた。