日経メディカルのロゴ画像

Dr.田中が教える国試のツボ【眼科編(その2)】
第13回 過去問だけでなく成書でしっかり学ぶ

2010/06/16
Dr.田中

典型的な症例の画像をチェックする


国試では、10年以上前だったら正しかった選択肢が、現在では間違いになっていることがあります。問題集には「現在とは答えが違う」と記載されていますが、学生さんの混乱を招く元になっています。10年前の過去問と3年前の過去問では正答が違っていて、どっちが正しいのかと悩んでしまうこともあるでしょうが、そういう時には最新の正答を信じれば良いのです。成書にはその時点の正しい情報が書かれています。だから、国試対策は過去問だけでなく成書で勉強することが重要です。

同じ問題で正答が違うのは、眼科治療が進歩したことが理由の1つです。例えば、20年ほど前までは白内障の手術後は患者さんは全員が入院し、手術後は土嚢で顔を固定していました。ところが、最近の一般的な白内障の手術は、ほとんどの患者さんは入院ではなく日帰りできます。

国試では、7年ほど前から白内障手術に関する問題が出題されるようになっています。「自動車免許の書き換え」や「家事ができにくい」などのキーワードで、社会的な必要の度合いによって手術をするかどうかを判断する問題です。白内障は誰でもかかります。80歳になれば100%の人が白内障になります。しかし、白内障の手術でも成功の確率が100%ではないので、患者さんごとの社会的な必要の度合いによって手術するかどうかの判断をしなければならないのです。白内障手術に関する出題が増えたのは、高齢化によって白内障患者が増えてきたためというよりも、より臨床に即した問題を作成するように出題者のスタンスが変わったことが重要です。

白内障は昔からある疾患であり、最近になって重要性が増したということではなく、やっと普通の問題をちゃんと出題できるようになったということだと思います。私は、正しい問題を作成されているという点で出題者の方々を尊敬しています。

眼科は画像が“命”です。だから国試にも画像問題が多く出題されます。とはいえ、画像の勉強から始めるのでなく、成書などである程度の眼科の知識のベースを身につけてから疾患ごとの画像を勉強するべきでしょう。画像問題でも、実際の臨床で出会う症例の問題が多く出題されるようになっています。かつては、問題文である程度の情報が与えられ、さらに画像で診断するという問題が多く見られました。つまり、画像を見なくても解答できるような問題が出題されていました。ところが、最近は典型的な症例の画像についている説明文は非常に短くなっているので、画像だけの情報で診断するような問題が多くなっています。

眼科は「見る学問」なので、これまで出題された文章の問題のすべてを画像問題に変換することが可能なほどです。だから、典型的な症例の画像にはすべて目を通しておくことが大切です。眼科の教科書や参考書には画像が数多く掲載されています。どんなに薄い参考書でも画像が多く掲載されています。かつての国家試験では、わかりにくい画像が出題されることもありましたが、最近の国試では病変が画像の中央にある、わかりやすい画像が出題されるようになりました。ただし、疾病の進行具合で病変は変わってくるので、それぞれの疾病に特有の病変を覚えておく必要があります。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ