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Dr.三浦が教える国試のツボ【救命救急編】
第11回 国試は医師として必要な知識を問われる

2010/05/19
Dr.三浦

国試には、医師として必要な知識が出題される


私が国試を受験したころは、難病は診断をさせる問題、治る病気は治療法が出題されていました。かつては単なる暗記で解答できるような問題もありましたが、現在は、解剖・生理・薬理の基礎医学を踏まえて病態を理解しないと解答できない問題が増えています。また、医薬品についても研修医として知らなければならない知識が徐々に増えていることは事実です。麻酔科でも、局所麻酔薬を使うケースがずいぶん増えています。

時代とともに国試の問題も変わってきています。私が受験したころは「血液製剤は安全」とされていました。また、現在胃がんはヘリコバクターが原因の1つとされていますが、かつては胃癌の原因に胃潰瘍は関係ないとされていました。公衆衛生では、主要ながんは胃がんから肺がんに移っています。医療は、こうした増加している疾患にリアルタイムに対処していかなければならない。増加している疾患を適切に理解して、その治療法を覚えていくことが大切です。

しかし最近の学生さんは、楽な方を選ぶ傾向があるようです。救急科や産婦人科などの生命を守る上で必要な診療科に進む学生さんが減っているようです。救急にかかわりたくない病院・医師が多いために、救急患者の受け入れ拒否やたらい回しが起こっています。そうすると病状が悪化してしまい、助かるものも助からないということになります。救急の現場では「もうちょっと早く運んでくれれば……」ということが少なくないのです。病院・医師が自信を持つことができれば、こうした問題は解決できるはずです。受け入れ拒否やたらい回しをなくするには知識が必要なのです。

現在は診療科が臓器別になっているため、例えば「消化器担当なので、呼吸器や循環器の救急患者は診られません」という医師が少なくないのです。しかし、東京消防庁救急医療情報システムでは、内科・外科・脳外科・整形外科と別れており、内科は一般内科だけです。だから、場合によっては、眼科医が当直の時に前立腺肥大の患者さんが救急で運ばれ、尿道カテーテルを挿入することになるかもしれません。そのため初期研修医制度では、どんな患者を診ることになった場合でも対処できるようにすべての診療科を回ることになっています。

医師国家試験では、救命処置の手順やチェック項目などが出題されます。国家試験には、実際の医療現場で困っていることが出題される可能性が高いのです。机上の理論ではなく、医師として最低限知っておいてほしい知識が問われるのです。私が模擬試験の問題を作成するときにも同じ考えで作成しています。

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