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第8回 直前予想(その1)

2010/02/01
Dr.孝志郎

本名:藤澤 孝志郎
宮崎大学を卒業後、東京都多摩老人医療センター(旧)、東京ERに勤務。
現在は専門外来と在宅医療を幅広く展開するクリニックの脳神経内科医長として勤務。日本内科学会認定医でもあり、MECでの講義のほか帝京大学でも講師として「病態生理講座」や「神経内科」、「精神科」等の講義を担当している。

国試の予想においては出題者の心を読むことが大切です。私は臨床医でかつ予備校の講師なので、出題者の心を読む自信があります。もちろん、出題委員が7月に発表されると、そうした先生方の学会発表や論文にはひと通り目を通しているので、どの先生がどんな研究をされているかは分かっています。

国試の出題予想は毎年9月頃に立て始めます。初夏から秋にかけて主な学会が集中して開催されることと、前年の9月から8月頃までのトピックスが翌年の国試に出題される可能性が高いからです。500問もの試験問題を短期間では作成できないので、問題の一番大事な骨子はおそらく6~8月に作っていると思われます。

また、過去25年以上の問題を分析したので、これまでどういった問題が出題されてきたかはすべて頭の中に入っています。例えば、気管支喘息に関して第103回(昨年)では、発作を起させないために使う薬剤は何かという問題が出題されました。患者さんに苦しい思いをさせないことが重要なので、コントローラー(長期管理薬/予防維持薬)の問題は第104回でも出題されるでしょう。そして、さらに発作を起こした患者さんにどう対処するか、という問題が出題されるはずです。例えば、ステロイドを吸入していたのに、救急に運び込まれて苦しんでいる患者さんにどう対処するか、という問題が出題される可能性があると思われます。過去にも出題された問題ですが、第104回でも出題される可能性があるのです。

鎮痛薬の副作用が出題される


喘息に関してもう1つ出題を予想しているのは、ロキソニンやボルタレンのような鎮痛剤の副作用で喘息が起こる問題が出題される可能性があります。つまり、医師が処方した薬によってひどい喘息の発作を引き起こす問題が出されるのではないかと予想しています。

数年前まで、国試の問題は「患者さんがAという病気で受診した場合にどうするか」がほとんどでした。しかしこれからは、「医師が処置をしたらより悪くなってしまった」という問題が出題される傾向になるはずです。ひと昔前までは、日本は先進国の中でもあまり鎮痛剤を使わない国として有名でした。つまり、「痛みは我慢するものだ」というサムライの国だったのです。しかし、患者さんには痛みを我慢させない方が良い、ということが国際的に知られるようになり、日本もそれに合わせるようになりました。そのために、日本における鎮痛剤の使用量がこの10年間で大きく増えているのです。すると、鎮痛薬による副作用も増えているはずです。だから、出題されることになるのです。

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