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第3回 大学の講義を補う勉強が必要

2009/10/27
Dr.高橋

Dr.高橋=高橋茂樹(たかはし・しげき)
1981年、東京医科歯科大学を卒業後、大学院に進学。おもに産業保健を中心とした公衆衛生を研究するとともに、耳鼻科医としての臨床経験を積む。1983年からは医師国家試験予備校で講師を始める。1989年、東京大学法学部に入学。卒業した年の1993年、司法試験に合格して司法修習生へ。1995年、弁護士資格取得。現在、浜二・高橋・甲斐法律事務所に所属する弁護士であると同時に医師、医学博士であり、国家試験対策本のベストセラーである「ステップシリーズ」(海馬書房)を執筆。

時代の流れを受けて
国家試験は大きく変化している


私は、自分が受験した第71回から今年の第103回まで、すべての国家試験をチェックしていますが、時代の変化にあわせて試験内容が変化していることを感じます。かつては、国家試験の6カ月前から試験対策を始めれば間に合うものでした。もちろん、詰め込み式にひたすら暗記するという対策です。それが、第85回試験あたりから変化しました。問題数が増えるとともに、試験範囲が広がったためです。

われわれが受験したころは問題数が260問でしたが、数年前から500問に増えています。試験範囲も以前は、内科・外科・小児科・産婦人科のいわゆるメジャー4科目と公衆衛生から必ず出題され、これに耳鼻科・眼科など外科系から1科目と内科系から1科目だったのが、現在は基礎系を含めてすべての分野が出題範囲となっています。医学が進歩したことも試験範囲を広げました。私が受験したころは、ようやく超音波検査やCTスキャンが普及し始めたころだったので、MRIが出題されるようなことはありませんでした。

問題数が増えると同時に、ここ数年は考えさせる問題が顕著に増えたため、付け焼き刃の勉強では対応できなくなりました。単なる丸暗記では解けない問題が増えたのです。そもそも、出題範囲は広く、すべてを暗記できるような分量ではありません。それと応用問題が出題されるようになったので、ある程度の深い理解をしていないと解けないようになっています。つまり、大学できちんと授業を受けている学生でも、どんな問題が出題されるのか出題傾向をつかんだ試験対策をしないと、合格がおぼつかない試験になってしまったのです。

真面目に勉強することは大切ですが、出題傾向を読んで要領良く勉強することが重要です。私立大学では予備校と提携するなどして大学単位で対策を教えてくれていますが、国公立大学の先生は試験の傾向を全く教えてくれませんので、予備校の力を借りるなどして自分で勉強することが重要です。

私が予備校の講師を始めたころは、「お前はそんなことをやっているのか」と蔑まれるような、人間の価値を下げるイメージがありました。しかし、現在では予備校は医学教育の一環に組み込まれている、といっても過言ではありません。

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