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有名予備校の人気講師が教える 国試対策のツボ
第1回 最近の国試の傾向と対策は?

2009/09/29
Dr.山崎(MECBOOK監修)(MECCBT模試監修)

また、今年の問題の中には「動脈」の英名「Artery」を選択させる問題までありました。Arteryは、われわれ臨床医がカルテにいつも書いている英単語ですから、常識です。でも逆にそれが学生とっては、ピットホール(落とし穴)になっているのかもしれません。

出題形式も、10択や8択といった選択肢が多い問題が増えています。また、今回は出題されませんでしたが、5択の問題で「正しいものをすべて選べ」あるいは「誤りをすべて選べ」といった問題も出るのではないかと予測されています。正解は、1つかもしれないし、5つ全部かもしれません。従来は、5択から2つ選べとか、3つ選べといった目安が示され、消去法でも答えが出た。すべて選べと言われると、選択肢すべてに的確な判断ができないと答えが出ません。

計算問題も増えました。答えを「120」と割り出したら、「1」「2」「0」と3つの数字を0~9から選択する問題が出ています。この場合、数字を1つでも間違えると、残りの2つも間違いになってしまいます。また文章の穴埋めをする問題では、病態を1つの流れとして説明できるかどうかが問われますから、しっかり勉強していないと、答えるのはキツイですね。

禁忌肢に注意


かつては、パターン問題といって、この疾患だったら治療法はこれというように、パターン化できるような問題が数多く出題されていました。こういう問題は、過去問を繰り返しやれば自動的に解けるようになります。現在は、こうしたパターン問題がやや少なくなる一方、問題の選択肢の中に「禁忌肢」と呼ばれる選択肢が散りばめられるようになりました。

医師としてやってはいけないこと、言ってはいけないこと、してはいけない治療法、検査などが「禁忌肢」で、これをいくつか選ぶと、ほかの問題がどんなに良くできていても、不合格になると言われています。これも医療事故が問題になって以降の新しい傾向です。

また、画像問題にも“新傾向”があります。かつては問題文を読めば、画像を見なくても解ける問題が多かった。問題文の中にある数値、年齢などの背景である程度、病気の推定がつき、画像は補助のような位置づけでした。最近は、問題文に加えて、画像をきちんと読影して鑑別を付けないと答えられない問題が増えています。より臨床的、実践的になったとも言えるでしょうが、画像で診断させるからには、非常に典型的なものしか出題されませんから、答えるのが楽だとも言えます。

いずれにしても、“新傾向”の問題と言われても、あわてることはありません。“新傾向”すなわち難問になったわけではなく、ほとんどの場合は、臨床現場を意識した問題が数多く出るようになっただけです。臨床に関する問題が増えていることを日頃から意識し、真面目に臨床実習に取り組むなどしていれば、さほど心配する必要はありません。

プロフィール

Dr.山崎=山崎明男(やまざき・あきお)

1992年順天堂大学医学部卒。以後、国立療養所富士病院、東京逓信病院、順天堂大学などで外科医としてがん治療に取り組む。その後、マリーシアガーデンクリニック(東京・新宿)がん遺伝子治療センター長として、先端的ながん遺伝子治療を手がける。医師国家試験予備校メック講師。日本外科学会指導医・認定医。日本胸部外科学会正会員・認定医。外科専門医。呼吸器外科専門医。日本呼吸器内視鏡学会専門医・認定医。

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