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第7回:私の病院チェックポイント解説(その1)

2009/12/15
賀来 敦(社会医療法人北斗 北斗病院研修医)

ACLSおよびJATECの指導はあるか?

ACLS/ICLSの受講は、研修医にほぼ義務づけられているので問題ないと思う。しかし、救急を売り物にしている病院で、研修指導責任者が「JATEC」(注2)という言葉を知らないことがあった。流石に、これはちょっとと思った瞬間である。類似のコースとして、「ISLS」「PSLS/PCEC」「JPTEC」「新生児蘇生法講習会」「JSPM-PEACE」などがある。
また、地域でこれらのコースが開催されているのにも関わらず、ローテ中の「科」の理解が得られず、受講ができないこともあるらしい。


常勤、非常勤医師比率

これは医師の定着度をみる指標として用いた。正確には、医局派遣の割合はどうかということである。結局、その病院に帰属意識がないと、大学医局の方を向いているだけで、病院自体をよくしようとか、コメディカルと良好な関係を築こうと言う行動には至りにくい。翻って、研修に力を入れようと言った行動に結びつきにくく、出身大学別での差別にもつながる。
逆に、その病院に帰属している医師が多ければ研修システムが確立していなくても、比較的良好な研修が可能になるのではないかと考えている。


院内勉強会頻度

研修医向けの勉強会をやっているかどうかではない。通常の院内勉強会を医師だけで集まってやっているか、コメディカルと共同でやっているか。その頻度はどれくらいかである。要は院内の職員が医療の最新知見について共通の認識をもてる場が存在しているかと言うことである。そもそも講義形式の勉強効率が低いことは教育学の中ではよく知られていること。研修医向けの講義をやってくれていたとしても、ビデオをみるのと対して差はないと私は考えている。


研修プログラムのフレキシビリティ

2年間の研修スケジュールが、入職直後に決められてしまい以後の変更が利かない施設も存在する。これでは研修中に興味のある科が変わった時には対応できない。現在の私の勤務先では一ヶ月前でも可能である。ただし、他の研修医と科が同時期にかぶってしまうと、互いに経験症例数(手技)が減るので、研修医間での調整は必要かもしれない。


出退勤管理システム

残念ながら、医師には時間にルーズな人もいる。日頃からタイムカード等で管理されることで医師の意識改革・ありようがはかられると考えた。また、医師に対する病院の姿勢もここで垣間見ることが可能。(巷でうわさのサービス残業・過重労働など)

(注1)クロサブ:chronic subdural hematoma(=慢性硬膜下血腫)のこと。北海道ではこう略されている。全国的には慢硬と略すことが多いらしい。
(注2)JATEC:Japan Advanced Trauma Evaluation and Care(=外傷初期診療ガイドライン)のこと。外傷による死亡は受傷から1時間以内に手術室に搬入していれば救命できた可能性のある例がかなりの割合に上ることが疫学調査の結果から知られている。この外傷初期診療の手順を学ばせるコースは人気が高く応募倍率は常に3~5倍である。
http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html

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