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第6回:病院実習でのチェックポイント

2009/12/01
賀来 敦(社会医療法人北斗 北斗病院研修医)

病院実習に行った時、病院の"どこ"に着目すればよいのだろうか?
まずは、研修内容に焦点を絞って話したいと思う。

希望専門領域がほぼ決まっているのであれば、初期臨床研修だけでなく後期研修を視野に入れて、5年間をどこで過ごすかを考えたい。その場合、結局は施設にいる『人』で決めることになるのではないかと思っている。

病院に所属するということは皆で協力して病院を作り上げていくことだと思う。どんなに給料が高く、仕事自体が魅力的でも一緒に働いている人とお互いに尊敬し合って成長していけるような環境でなければ楽しくない。“楽しい・楽しくない”で割り切ってしまうのは安易に映るかもしれないが、人生の3~4割近い時間を費やす職場(仕事)を楽しいと思えないのは自己否定につながりかねない。つまりその専門領域を『誰』について学び、専門医資格を取得したいか、『誰』と一緒に働いていきたいかという事が重要なのではないだろうか。

このように、基本は『人』であると私は考えている。ただし、病院によっては指導医が流動的であったり、希望する領域によっては在籍する医師の把握が難しいなどの事情がある。そういった場合は「施設設備」・「教育システム」・「教育に対する病院のスタンス」などで判断する事にならざるをえない。

「進路がまだ分からない」場合や、「後期研修先の目星はついているが初期研修は総合的に学びたい」と考えている場合がこのケースに該当するだろう。なぜなら、屋根瓦方式が推進される中で、1年次は2-5年次研修医に直接指導を受けたり、接することが多い。しかし見学に赴いたその時点で施設にいる初期研修医は、そのまま同じ病院での後期研修に進まない限り、自分の就職時にはいない可能性が高い。また指導医クラスの医師についても大学病院からの派遣が多い場合、人の動きは流動的だ。研修で最も重要な、指導者の人材把握が実習時は困難であることが往々にしてあるからである。

システムで研修の質を保証する方法もあるだろう。指導医個々の能力に頼るのではなく、決められた教育のやり方にしたがって研修を実施していけば、質の良い教育や手技獲得が実現できることになる。

それでも指導医や上級医によっては技量の差があるだろう。実際には経験年数や知識量の異なる人々が混在する状況で、良質な研修を提供していくのは難しい。たまたま技量の低い人が担当だったので、良くない研修結果になってしまったというのでは、研修医の立場からすればたまったものではない。どの指導医、どの上級医であっても確かな教育を提供するには、システムで保証する必要がある。

マイチェックリスト作成は自分自身の価値観に基づくシステムの評価方法である。しかしシステムで保証されるのは、あくまでも最低限の品質保証であり、それを超えた部分で研修の質を求めるのであれば、やはり『人』を重視するべしと言わざるを得ない。

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