日経メディカルのロゴ画像

第11回 台湾の人々の目標にダイレクトアクセスする姿勢

2010/04/20
南野陽子(なんの ようこ) ピアニスト

日台交流のチャリティーコンサート


それから20年近くが経ち、私はヨーロッパで長い期間を過ごした後、日本に帰国しました。ほどなくして台北である音楽祭のコンサートに出演するため、久し振りに台湾を訪れることになりました。コンサートには私の留学を応援してくれた人達が足を運んでくれ、自分のことのように喜んでくれました。

公演後の楽屋では皆が私の近況について聞きたがりました。そこで、ちょうどその年東京で企画段階から関わっていたチャリティーコンサートの準備のことを彼らに話しました。「会場となるホールがとても大きいので多くの人に足を運んでもらい、沢山の収益金を寄付したいと思っている」‥といった内容でした。

するとそれを聞いた彼らが「じゃあ、私もその日は東京に聴きに行くよ。」あるいは「東京の知人に協力するよう頼んであげよう!」と言ってその場からすぐに日本に電話をかけ始めたりして大騒ぎになりました。私は笑ってその様子を眺めながら、「そうだった、この国の人々は昔からこうやって私に沢山のエネルギーを与えてくれたのだった…」と、とても懐かしい気持ちになりました。

結局私はそのチャリティーコンサートで台湾の人々や団体にも協力をしてもらうことになり、コンサートは日台交流で主催することに発展したのです。コンサートのオープニングに私が日本語と中国語の両方で挨拶をすると台湾の人々からひときわ大きな拍手が湧き上がりました。

このチャリティーコンサートは日本と台湾の多くの人々の協力のおかげで充分な収益金を上げることが出来ただけでなく、私にとっては自分と台湾の関係を見つめ直すとても良い機会となったのです。

チャンスに飛び込んで行く姿勢


何かをやりたいと思った時にきちんとした手順を踏み、準備を整えることはとても大切です。ただ、チャンスというものはいつでも訪れるわけではなく、どうしてもこのタイミングを逃したくないと思う時があると思います。そのような時には、時期尚早と思われても、細かい事をあまり気にせずに、自らのエネルギーを集中して目標に向かって突き進む姿勢も大切だということ、そして、その時に周囲の人達とも協力し合い、お互いに自己実現を図って行くことが出来れば、より大きなエネルギーを得ることが出来るということを、台湾の人々は私に教えてくれたのです。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ