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他国が注視する日本の年金制度改革。国民への情報開示で、理解促進へ
インタビュー 野村資本市場研究所 研究員 野村亜紀子 氏

2010/06/17
聞き手:日経BP社BPnet編集プロデューサー 阪田英也 取材:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子 構成:同 狩生聖子

野村資本市場研究所 研究員 野村亜紀子 氏

野村資本市場研究所は、金融・資本市場や金融機関の制度・構造・動向などを調査、研究し、この分野の政策提言も行っている。そこで今回は研究、調査の実際をうかがうとともに、大きな転換期を迎えようとしている日本の「年金制度」について、この分野の研究をテーマにしている同研究所研究員の野村亜紀子氏にお話をうかがった。大学では金融とは全く別の世界の勉強をしていたという野村氏。仕事を選んだきっかけ、入社3年目で赴任したアメリカで学んだ経験などについても紹介する。
(聞き手:日経BP BPnet編集プロデューサー 阪田英也 取材:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子 構成:同 狩生聖子)

金融・資本市場動向を、
専門的かつ中立的に研究する


――まず、野村資本市場研究所の業務内容についてご紹介いただけますか。

野村 当研究所は、野村ホールディングスの100%子会社として、2004年4月に発足しました。業務そのものの歴史はもっと古く、1965年以来、シンクタンクとして知られる野村総合研究所で行われてきた資本市場研究部の調査・研究のセクションを引き継いだ形です。

具体的には金融・資本市場や金融機関の制度・構造・動向等に関する調査の伝統を引き継ぎながら、実務に根ざした研究および政策提言を中立的かつ専門的に行うことを実務に根ざした研究および政策提言を、中立かつ専門的に行うことを目指しています。研究の成果は主に「資本市場クォータリー」、「Nomura Capital Market Review」などの出版物を通じて国内外に発信しています。

――野村グループの中には、他にもリサーチを行う組織があり、外部からは違いが分かりにくい、という指摘がありますが。

野村 普通、証券会社の関連企業でリサーチという場合、企業及び市場の分析・調査やマクロ経済予測を行うのが一般的だと思います。そのような業務を担っている人間は、野村證券の一部門である「金融経済研究所」に所属しています。

この研究所にある企業調査部のアナリストたちは、財務分析及び各企業への取材や現場の調査であるフィールドサーベイなどを行い、分析レポートを執筆し、投資の判断を発信する業務を行います。また、投資調査部のストラテジスト(投資戦略を考える専門家)は経済動向や金融環境、株式市場の需給関係などの分析に基づいて投資家の皆様に情報提供する業務を行っています。

つまり、日々のマーケットの動きや、そのマーケットの動きをベースにビジネスをする野村證券において、こういったビジネスに極めて近いところのリサーチを行う仕事です。

一方、私たち野村資本市場研究所で行っているリサーチは前述しましたように、より「制度、構造」といったところに近い内容です。日々の市場動向とは一定の距離を置き、金融・資本市場の制度や動向を専門的かつ中立的に研究しているのも特徴です。

いずれも同じ野村グループ内のリサーチ組織ですが、私どもは野村證券とは別法人の組織で調査を行っています。また、海外の事例を参考に研究を行っていくことが多いのも特徴ですね。

――海外というのは具体的にはどのような国ですか。

野村 今まではアメリカの事例が参考になるというので、アメリカの調査が圧倒的に多かったのです。これに加えてヨーロッパの調査。最近は、アジア関連のものを大いに増やそうとしています。海外の調査の中では金融制度・構造のほかに、業界の動向やその業界で非常に注目されているような金融機関の動きなども必要に応じて調査します。

調査で得た情報を、野村グループの中で活用してもらうことが大きな目的の1つ目ですが、もう1つ大事な業務は、情報の外部への発信です。「日本の資本市場全体をよりよくする、より使い勝手のよいものにする」といったことに役立ちそうな情報を提供する、という方向性を持っています。

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