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「21世紀医療フォーラム」第3回代表世話人会を開催
医療問題解決に向けて、より具体的で実現可能なテーマを推進

2010/03/23
21世紀医療フォーラム取材班

2010年1月27日、21世紀医療フォーラムの第3回代表世話人会が、東京・帝国ホテルで開催された。昨年のフォーラム活動を振り返ると共に、今年の重点テーマ(4本柱)~ (1)大学附属病院の「教育」「研究」機能の強化 (2)「スペシャル医療クラーク」の育成とモデル化推進 (3)若手医師の「キャリアパス」策定 (4)「地域医療再生」の追跡と広報・啓蒙 ~が提案され、より具体的で実現可能なテーマを推進することが確認された。



第3回の代表世話人会では、最初に、リアルイベントの重視、議論からアクションプランへの移行というフォーラム活動の直近の流れが報告された。


内閣府総合科学技術会議議員 本庶佑 氏

続いて、今年の活動の重点テーマ(4本柱)に関する説明が行われた。1番目の活動テーマは、『大学附属病院の「教育」「研究」機能の強化』。現在、大学附属病院は、経営とその維持のため、「臨床」に多くの時間と労力を割かれ、その結果、「教育」「研究」という本来機能が衰退している。この現状を打破するためには、大学附属病院における「臨床」の軽減が必要。フォーラムでは、モデル地区を選定し、電子カルテなどの患者情報の共有化による医師と患者の流通を促進し、この課題に取り組んでいく。このテーマについて、全国社会保険協会連合会理事長の伊藤雅治氏は、「大学附属病院が診療収入に依存している現状をいかに変えていくかが重要」とした。また、内閣府総合科学技術会議議員の本庶佑氏は、「新政権下では独法化後の大学附属病院の効率化係数が改訂される方針になった。現場の疲弊の一因だった財務問題の一部は改善されるだろう」とし、電子カルテに関しては「疫学的なデータサンプリングに資する」という意義を強調した。


国立病院機構京都医療センター院長 藤井信吾 氏

コメディカルの治療参加を推進。
「スペシャル医療クラーク」に焦点

第2の活動テーマは、「スペシャル医療クラーク」の育成とモデル化推進。医師の過重労働を軽減する目的で、「医療秘書」が全国で導入されているが、現場で本当に役立つスキルを身につけているかは疑問。フォーラムでは、代表世話人の1人である国立病院機構京都医療センター院長・藤井信吾氏が2009年初めから、その育成と導入を開始した「スペシャル医療クラーク」に着目。全国の「医療秘書」との比較・検証を実施したうえで、この「スペシャル医療クラーク」をモデルとして推奨し、全国展開を支援する予定だ。藤井氏は、「養成2年目となる今年は、当初3ヵ月だったカリキュラムを1年コースとして再構築する予定。これだけやれば、かなりレベルの高いクラークを、現場に送り出せる。現在の民間資格を、国家資格に格上げすることも目指したい」と語った。


東京慈恵会医科大学附属病院長 森山寛 氏

3番目の活動テーマは、若手医師の「キャリアパス」策定。この活動の中心となるのが、東京慈恵会医科大学附属病院長の森山寛氏。同氏は、「医療人の育成のためには10年以上の長期的な時間軸が必要。新臨床研修制度は、それ自体の理念は良かったが、現在、若い医師たちの中には早期から現場に放り出されて、行き先を見失い、迷走している例もある」との問題意識を表明した。こうした現状を改善するため、フォーラムでは、医師育成のための複数のキャリアパスを策定し、広く提言していく。


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