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21世紀医療フォーラム「医師の育成、大学附属病院のあり方」研究部会 統合後第2回会合が開催
リアルイベントの重視とアクションプランへの移行を確認。病院財務の検証への道筋も示す

2010/02/15
文:21世紀医療フォーラム取材班 桶谷仁志 文責:日経BPnet編集 プロデューサー 阪田英也

2009年12月1日、21世紀医療フォーラムの「医師の育成 大学附属病院のあり方」研究部会が、帝国ホテルで開催された。9月14日の研究部会に続くもので、2つの部会が統合された後、第2回目の会合となった。
今回の研究部会では、従来以上に、具体的なアクションプランの検討に重点が置かれた。「医師の育成」のパートでは、「教える側のビジョン」の策定・発信の問題と、「シニアレジデントを対象とするEBCPコンペティション」の内容検討に多くの時間が割かれた。
一方、「大学附属病院のあり方」のパートでは、大学附属病院の財務分析と、財務改善へ向けた提言のためのアクションプランが、主な討議の対象となった。(文:21世紀医療フォーラム取材班 桶谷仁志 文責:日経BPnet編集 プロデューサー 阪田英也)


大阪大学副学長 門田守人 氏

医学生を教える側のビジョンづくりが急務。
医大の選抜、医師の能力評価にも問題が


研究部会の口火を切る形で、司会の阪田英也(21世紀医療フォーラム・プロデューサー)から、今後の研究部会の方向性として、リアルイベントの重視、議論からアクションプランへの移行という基本方針が確認された。続いて、「医師の育成」パートに移り、門田守人氏(大阪大学副学長)から「教える側のビジョンづくり」「ビジョンの発信方法」という問題が提起された。

門田氏は、自身の反省も踏まえて「医大、特に国立医大の教師(医師)は、後輩への教育を一種の“雑用”としか意識せず、軽く考えてきたのではないか」とした。そのため、カリキュラムの形だけは整備されていても、内実が伴わないという憾みがあったという。

東京慈恵会医科大学附属病院長
森山寛 氏


国立長寿医療センター総長
大島伸一 氏

大島伸一氏(国立長寿医療センター総長)も「現場の医療に何が必要で、誰がどういう場でそれを教えるかという整理ができてない」という現状認識を示し、「結果的に大学の教育は“技術”に偏ってしまい、科学技術時代の“人間”の営みとしての医療が欠落している」とした。

森山寛氏(東京慈恵会医科大学附属病院長)は、慈恵医大が1989年から、いち早く実施してきた「多職種が参加する教育(Inter-professional education)」の概要を紹介した。その上で、医学生への教育は、「医師ばかりではなく、看護師、介護福祉士、保育士、助産師ら多職種が参加してこそ実りのあるものになる」と述べた。

慈恵医大の学生は低学年次から「福祉体験実習」「重度心身障害・難病医療体験実習」「在宅ケア実習」といった実習を体験し、他者理解、チームワーキング能力を獲得していく。この実習は人間的な成長にも資するという。

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