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“メタボ”以前から、生活習慣病に対応してきたベテラン講師陣による実践的な保健指導者教育のノウハウ
NPO学習支援センターがJR東日本と連携し、「特定健診・特定保健指導実践者研修」を開催

2009/12/28
聞き手:日経BP社クロスメディア本部プロデューサー 阪田英也 構成:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子

――JR東日本グループの研修の対象者、研修内容はどのようなものでしたか?

塩塚 東日本旅客鉄道株式会社に勤めている保健師さん、看護師さんたち、総勢90名を対象にした複数年に亘る研修企画です。2009年は15名程度のグループ毎に2泊3日の研修合宿を、5月27日から29日、7月15日から19日の2回実施しました。

3ヵ年計画です。基本的には15名ずつ、2泊3日の研修合宿に参加していただきます。今年は、5月27日~29日と7月15日~17日の2回、実施しました。

研修内容は、生活習慣病についての基本的な知識や、制度全体の理念・目標の把握から、ノルディック・ウオーキングなどの運動指導、肥満と咀嚼の関連といった食事指導、標準的な質問表から対象者の生活習慣を読み取る方法や、対象者をひきつけて脱落させない面接のコツ、効果的な禁煙支援法まで、全13プログラムあります。(表参照)


JR東日本「特定健診・特定保健指導指導者研修プログラム」

――研修を受けた方たちの評価はどうでしたか。

塩塚 「保健師の弱い栄養分野を重点的に教えていただき参考になった」「近視眼的じゃなく、事業所全体の将来を見据えた考え方ができるようになった」など、おおむね好評でした。特に、「言うことを聞いてくれない対象者にどう接していいかわからない」「成果がでなくて焦燥感が募る」などといった悩みを抱える方が多かったのですが、この研修で、行動変容を起こさせるための動機づけ、その動機づけをさせるための説得のノウハウを学んだことによって解決の糸口をつかんだようです。

メタボ予備群などといった呼称がない時代から、生活習慣病のリスクのある人たちに対して行動変容を起こさせるための動機づけをしてきたベテラン講師陣が、ご自身の実体験から積み上げてきたノウハウを伝授できた点が、なんといっても良かった。そうした客観的な経験知により、JR東日本で進めている現場指導に際して足らぬ知識を補い、現場で働く皆さんへ有効な実践手段を提供できるのが当社カリキュラムの魅力でもあります。

――今後の課題と事業展開については、いかがですか。

塩塚 大企業向けのプログラムだけでなく、企業の規模に応じたミニ講座的なものの企画など、クライアントのニーズに沿うようにカスタマイズしたプログラムの作成、研修を考案しています。それと、企業の福利厚生、人事の方々と話していると、フィジカル面でのメタボもさることながら、メンタルヘルス、すなわちうつ病の予防やうつ病患者のリワークが大きな問題になってきていることを痛感します。

うつ病に対する社会的関心が高まっている割には、あまりにもうつ病の実態を知らないので、学習支援センターとしては、まず、うつ病に関するコメディカルの意識を高めたい。その次に、早期発見と早期治療に関するお手伝いをしたい。さらに、うつ病に罹患した人の復職がなかなか成功しないという問題にもなんとか解決策を示したいと思い、21世紀医療フォーラム「うつ病研究部会」と連携しながら、1年間かけて研究会を重ねてきました。

精神科医で横浜クリニック院長の山田和夫先生をはじめ、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹先生、神経内科医で作家の米山公啓先生、臨床心理士の山田和恵先生、心理セラピストの水木さとみ先生らに手弁当で参加していただき、その成果を、リワークサポーター養成セミナーとして、来年6月開講に向けて準備中です。

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