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医療再生に解決型の提言を「IMS ジャパン ヘルスケア・シンポジウム 2009」開催

2009/12/16
取材:21世紀医療フォーラム Good Doctor NET編集部 原田英子 文責:日経BP社クロスメディア本部プロデューサー 阪田英也

コメディカルの治療参加促進と、
ジェネリック医薬品のあり方


続いての全体討議では、最初に西村氏が、薬剤師やコメディカルの治療参加の促進について言及した。

「患者は決して、治療効果全体を把握しているわけではない。“もし3日間、薬を飲まなかったらどうなるのか”といったことを教えてくれる薬剤師が必要。薬剤師もまた、患者から情報を収集することで、自身のスキルを向上させることなる。薬剤師を含め、コメディカルが、“医師のやれないこと、やらなくてもいいこと”を積極的に遂行することで、医師の負担が軽減される」と指摘した。

さらに西村氏は、「医薬品産業のグローバル化において、“イノベーションが報われる”“インベストメントが報われる”ことは絶対に必要だが、ブロックバスターで儲けて、それをほかに投資するという仕組み以外に、PPP(public-private partnership)のような公共的な仕組みを作るべき」と発言した。

続いて医師の立場から西澤氏は、「今後、医師はMRとの面接や打ち合わせについて、もう少し効率的な、仕事に役立つ会い方を考えるべき」と、医師が積極的に医薬品情報を入手する必要性について言及。ある患者が、がんで再入院するにあたって、前回入院時に、薬物療法についていろいろ説明してくれた薬剤師を、“今回も担当にして欲しい”といわれたエピソードを披露した。「患者自身が医師からは詳しく聞くことの出来ない抗がん剤などの情報を、薬剤師から正確に説明してもらうことで、医療全体の信頼性が向上する」と述べた。

次に内藤氏は、製薬企業の目標として、「これからは、“患者満足度の向上を目的に行動すると、結果として利益がもたらされる”と考えていきたい。また、単一薬剤の効能効果より、もう少し違う次元の新しい経験、すなわち、“希望の創出や安心安全の創出”といったテーマに、医薬品産業全体が取り組むべき」と、医薬品産業のあり方を展望した。

会場からは、「ジェネリックを普及促進すべきか」「それを進めるための方策は?」といった質問があり、これに対し西村氏は、「基本的に普及すべき。しかし、最終的には患者が判断することであり、患者の判断基準は揺れるので、ジェネリック促進を至上命題としてはならない。また、専門家にしかわからない品質などは、しっかりと確認し公表することが大切」と答えた。

また、医師の立場から西澤氏は、「医療費の抑制だけを目的として、『ジェネリック促進』を行うことには反対。薬の成分は同じでも、添加物でアレルギー起きた症例もある。さらに、吸収の違いによって効かなかったり、効きすぎたりということがありうる。ジェネリックが元の薬と全く同じものであるという理解には立たず、きちんとした医薬品としての情報提供をすべき」と提言した。

都合、4時間半にも及んだ「IMS ジャパン ヘルスケア・シンポジウム 2009」は、医師、行政府、医薬品卸、薬剤師など、幅広い医療業界全体に渡るスピーカー、パネラー、そして参加者を得て、文字通り“熱い議論”が戦わされ、成功裡に幕を閉じた。


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