日経メディカルのロゴ画像

医療再生は人づくりから~「効果的、効率的、魅力的」な医学教育のあり方を探る

2009/07/20
21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

 シミュレーション教育・訓練だけでなく、動画、スライド、ポスター、ガイドブックなど多様な教材を使い、なおかつface to faceで教え、ディスカッションを行うというような教育システムをつくりあげることで、医学生もカタログ的な学習から解放され、魅力的な学びの場をもつことができる。

池上氏は、「医学生は今までの医学教育にうんざりしている。医学生は本来、人の命を救うという大きな志をもって入学してきているはず。その志を尊重し、彼らを大学で退屈させないために、シミュレーション甲子園は面白い存在になる可能性がある」。

そして、「エジソンが電灯を発明したとき、ランプの世界から電灯の世界に一気に変わった。シミュレーション教育は、エジソンの電灯の発明のように、何か1つきっかけがあれば一気に普及する可能性がある。そのきっかけは急変対応だ。急変対応は看護師離職の最も大きな原因になっているといわれる。また、急変対応は、医療現場で今最も重要な課題の1つだが、院内死亡を回避するために、患者急変時の対応をどのように学習するかが問われている」。

 また、「急変対応における自信をつけさせて医療現場に若い医師、看護師を送り出すことができれば、医療行為によってもらされる不幸な結果を回避する可能性が高まり、バーンアウトする看護師も少なくなるはず」と考えている。

 シミュレーション訓練は、患者急変時における医学生、看護師らの対応に自信をつけさせる最もよい教育方法であり、今後、地域を問わず、可及的速やかにその採用を拡大していく必要がある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ