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医療クラーク養成のフロント・ランナー、病院関係者が注目する京都医療センターの試み
「スペシャル医療クラーク」誕生

2009/05/21
医療コラムニスト 21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

 医療クラークの導入に積極的に取り組んできた独立行政法人国立病院機構近畿ブロックの京都医療センターに、2人の「スペシャル医療クラーク」が誕生した。松田安由美さん(32歳)と井上裕美さん(29歳)だ。松田さんは助産師として、井上さんは看護師として、同センターで8〜10年の勤務経験をもつ。2人は医学的な基礎知識はもちろん、電子カルテ操作などにも習熟していたため、3カ月の医療クラーク育成コースを飛び越えて、産婦人科と腫瘍内科に配属された。

「医療クラークの仕事を通じて看護師としてもスキルアップできれば・・・」と語る井上さん

スペシャル医療クラークの年収は280〜400万円

 京都医療センターでは、病院全体の目標として、最終的に50名のスペシャル医療クラークを採用する。2月に募集したときは2名の応募だけだったが、井上裕美さんはそのうちの1人。

 同センターICUに勤務した経験をもつ井上さんは退職後、「スペシャル医療クラーク」に応募した。時間的にも無理のない範囲で仕事ができること、「スペシャル医療クラーク」の仕事が、将来、看護師としてのキャリアアップにつながると考えて名乗りをあげた。申し分ない資格があったので4月1日から腫瘍内科で働いている。

 3月の第2回目の募集では58名が説明会に参加し、28名が育成コースを受験した。書類審査と面接・口頭試問をへて17名が合格。そのうち3名はTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)で760点以上の高得点をマークし、イタリア語、ドイツ語にも堪能な人が含まれていた。

助産師としての経験も長い松田さんは看護師からも頼りにされる存在だ。

「医学用語には英語が多い。英語に拒否反応を示す人では困るが、英会話ができなくてもかまわない」と、同センター。ただし、外国人が受診した場合に備えて語学に堪能であればそれにこしたことはない。

 合格者のうち育成コースに入らなかったのは、同センターで助産師として約10年間働いていた松田安由美さんを含む4名。松田さんは病院の情報システムにも慣れていたので、3月31日まで助産師として働き、4月1日に「スペシャル医療クラーク」に職種変更して産婦人科に配属された。

他の3名も他病院での病院情報システム操作や診療記録入力などを経験していたため、育成コースに加わらずに、担当診療科とフィッティング目的で行なわれる短期研修をへて診療科で働く予定である。

 他の合格者は育成コースに入り、医師が本来業務に専念できるよう、主として電子カルテ入力などを支援できるスキル獲得のための勉強を行っている。育成コースで勉強している間も日額3000円が支給される。

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