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患者にとって負担の大きい最新医療 1年で改正されたC型肝炎医療費助成制度

2009/07/29
科学ライター 荒川直樹

 医療の進歩はめざましい。がん、脳梗塞、難治性心臓疾患など、これまで治療が難しかった疾患を克服する新たな治療法が次々と登場するが、問題はそれと同時に高額な治療法が増えていることだ。例えば、2007年に承認された「がん抗体医薬品」の患者自己負担額は、なんと約200万円。取材していても「自分が病気になったとき、はたして払いきれるのか」と不安が頭をよぎる。

 いま、増え続ける高額医療に対する国のサポートのあり方を真剣に考える時期にきていることは確かだ。この4月に行われたC型肝炎の医療費助成制度の改正は、そのためのヒントのひとつになる。

治療費助成でも患者数は増えず。 助成額算定基準にも問題が

 C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓病だ。患者数は、感染に気付いていない人を含めると全国で約200万人。放置するとやがて肝硬変、肝がんを発症する危険がある。かつては有効な治療法のない病気であったが、近年、インターフェロン治療が進歩している。

C型肝炎はウイルスの型によって「治りやすいタイプ」と「治りにくいタイプ」があるが、ペグインターフェロンに抗ウイルス薬のリバビリンを併用した最新治療では「治りやすいタイプ」では約90%が、「治りにくいタイプ」でも約60%が根治する上、肝臓がんへの以降を予防する効果があることが知られている。

 そこで、こうした最新治療を受ける人を増やすことで、肝臓がん患者の増加を抑制しようというのが、2008年4月に開始された医療費助成制度だ。助成内容は、治療にかかる診療費、薬剤費、入院費などの個人負担の上限を、収入に応じて月額1万円、3万円、5万円とし、残りの費用を国と県が負担するというものだ。これまで月額7〜8万円が必要で、48週間の治療を終了するまでには少なくとも90万円以上かかる患者さんの負担はかなり軽くなる。積極的に最新治療を受ける人が増えると期待された。

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