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企業健保崩壊の受け皿は…。

2009/06/24
医療ライター 須藤公明

 高齢化が、健康保険制度を大きく揺るがしている。かねてから、高齢者医療制度への支援金・納付金の拠出が、企業の健康保険組合の財政を圧迫することが懸念されていた。それが、景気後退などもあり、急速に顕在化したからだ。

NECで6.7%から7.7%へ、セブン&アイ・ホールディングスで7.2%から8.2%へと保険料率が引き上げられたことが、その象徴である。しかも、現在の雇用状況などからすれば、今後も収支の改善は望み薄で、企業の健保組合が存亡の危機に見舞われることも予想される。

 いや、すでに存亡の危機にある、というべきかもしれない。昨年度は西濃運輸をはじめ、30近い企業の健保組合が解散に至った。保険料率を7.5%から8.5%に引き上げた東京西南私鉄連合、8.0%から9.5%に引き上げたニッスイなど、“危険水域”に入ったところも多い。

“危険水域”というのは、保険料率が、かつての政府管掌健康保険、現在の全国健康保険協会(協会けんぽ)の8.2%を上回り、独自の健保を維持するメリットがなくなってしまうことだ。すでに企業健保の20%以上が、そのような状況にあるともされる。

 今年度冒頭の企業の健保組合は1485で、この20年足らずで20%ほど減少した。別の言い方をすれば、およそ5社に1社の健保組合が消滅した、ということになる。さらに、現在も赤字の健保組合が増加中で、その比率は90%にものぼり、好転の兆しは見えないどころか、悪化に拍車がかかる一方だとされる。

収支状況が急速に悪化した最大の原因には、昨今の景気低迷もあるものの、やはり昨年度からスタートした高齢者医療制度における前期高齢者納付金および後期高齢者支援金の負担の影響の方が大きい。

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