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情報の偏在性~患者の主張を聞かないのが医師の仕事?~

2009/05/23
一般社団法人 統合医療福祉中村直行研究室 中村直行

 さて、ご質問にお答えいたします。

①免疫療法を希望して今かかっている病院の医師に相談したのですが、きっぱり断られました。どこに行けば免疫療法を受けられるのか教えてください。

 医師が断るのにはいろいろな理由が考えられますが、一言でいえば病院の方針ということになります。ご質問の免疫療法は、現時点では保険の対象外である自由診療で実践されており、混合診療が認められていない状況下では原則的に難しい部分もあるでしょう。

 また、安全性、有効性、経済性などの理由で認められていない場合も考えられます。積極的な推奨はできませんが、免疫療法を実施している医療機関のリストを送信いたしますので、直接お問い合わせ下さい。

②免疫療法以外にも有効な治療法があれば、併せて教えてください。

 私共の認識している範囲では、現在のところ思い当たりませんが、専門誌や学会等で新たな報告が確認できましたら連絡いたします」

 あなたには、この事例がどう映りますか。歯痒いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんし、もっと適切な回答があるとご指摘になられる方もおられるかもしれません。

 言うまでもなく、一方だけのお話を伺って回答するのには限界もありますが、セカンドオピニオンが今日のように普及する以前は、これでも精一杯のやり取りでした。

 実際の医療相談では、前述のような不定愁訴の枚挙にいとまがない状況でした。また、患者やご家族の深層心理は、とても奥行きが深く、入手していらっしゃる情報も錯綜しておられることが少なくありませんでした。

問題の1つは責任の所在

 もし、前述の相談者の担当医が「私が信用できないのなら他の病院に移ってもらっても構わないよ」などと一刀両断せずに、再発の可能性のことや他の療法について、患者がどのような疑問や不定愁訴を抱えていたり伝えようとしたりしているのかをコミュニケーションできたのなら状況は変わっていたかもしれません。

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