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情報の活用~何故、病院のタライ廻しが起きるのか~

2009/05/09
一般社団法人 統合医療福祉中村直行研究室 中村直行

ところで、その後、この都立病院ほかで発現した現状等に鑑み、今年3月、厚生労働省は「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」で報告書をまとめました。その骨子を見てみましょう。

  1. 厚生労働省の組織の連携強化による縦割り解消
  2. 周産期医療対策事業の見直し
  3. 救急医療・周産期医療に対する財政支援とドクターフィー
  4. 地域におけるネットワーク
  5. 医療機関等におけるリソースの維持・増強
  6. 救急患者搬送体制の整備
  7. 搬送コーディネーター配置等による救急医療情報システムの整備
  8. 地域住民の理解と協力の確保
  9. 対策の効果の検証と改良サイクルの構築

この懇談会は、医療者を中心に専門家で構成され、真剣且つ熱心に議論され検討されてこの報告書がまとめられたものと思われますが、あなたが非医療者であれば、意味が分りづらい表現もあるかもしれません。

紙幅の関係で一つひとつに言及するのは控えますが、もし分らないことがあれば、情報の発信者に内容の説明を求め、根拠や真意を確認する方がいいのは言うまでもありません。

望まれる医療情報基盤の整備

精度が高く正しいものであれば、どんな情報であれ、活かして用いることに意味がありますし、医療者に限らず患者やご家族もその恩恵を享受できる場合が少なくありません。

情報の根拠が確認でき、その根拠を患者やご家族が納得し、活用したいと思われたら、遠慮なさらずに医療者やその他の信頼できる専門家、さらには公的な機関の方々に質問されたり相談されたりすることが、結果として功を奏することもあるでしょう。

もし、あなたが当事者であり前述の方々にご相談されるとしたならば、事前に整理されておかれた方がいいと思われる点をいくつかまとめてみます。

  1. 情報源(新聞・書誌・テレビ・ラジオ・インターネット等)
  2. その情報が発信された時期(もし分かれば)
  3. その情報の責任の所在(個人・法人等)
  4. その情報が正しいとされる根拠(確認方法と結果等)
  5. その情報を活用したい理由(医療機関や医師の選択・治療法の選択等)
  6. その情報を活用したときに想定されるリスク(もしあれば)

医療情報を活用することによって、あなたが安全で安心できる最良の医療を必要最小限だけ受けることができたり、医療者が医療にだけ専念できたりしたのなら、解決されるべき医療問題も少なからず改善されるものと思われます。そのためにも、医療情報基盤の早期整備が望まれます。

次回は、患者の主張を聞かないのが医師の仕事?ということについて考えてみたいと思います。

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