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情報の活用~何故、病院のタライ廻しが起きるのか~

2009/05/09
一般社団法人 統合医療福祉中村直行研究室 中村直行

前回は、20世紀末からのICT(Information Communication Technology:情報通信技術)の急進展により様々な情報が飛び交う中で、得られた医療情報が正しいか否かをどのように見極めたらいいのかということを、皆さんとご一緒に考えてみました。

その結果、情報の根拠をしっかりと確認してから、有効に活用する必要があることを認識しました。換言しますと、安全で安心な医療の前に、まずは情報自体が安全で安心かどうかということがチェックされる必要があるということを俯瞰しました。

では、情報の根拠が確認されたら、どのように情報を活用したらいいのでしょうか。活用することにより、病院のタライ廻しは未然に防ぐことが出来るのでしょうか。

 そこで、今回は、情報の活用をテーマとして、何故、病院のタライ廻しが起きるのかという問題を中心に照射しながら、皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。

 

 もし、あなたが医療情報を活用しようとする場合、その目的には、疾患そのものに対する理解を深めるという他に、医療機関や医師の選択、治療法の選択、薬剤に対する基礎知識の習得、医療者との円滑なコミュニケーションのためのバックアップ等々が考えられます。

 一方、医療者も、診断、治療法の選択、治療等々で医療情報を有効活用することが少なくないと思われます。

 このように、あなたも医療者も医療情報を有効に活用しようと思えば活用できるのに、どうして病院のタライ廻しが社会問題にまでなってきているのでしょうか。

起きてしまった問題

具体例を引き合いに出してみましょう。昨年10月の土曜日、30代の妊婦が、下痢、嘔吐、頭痛を訴え、かかりつけの医療機関に救急搬送されました。

その医療機関の医師は、脳内出血の疑いがあると診断し。都立病院に受け入れ要請の電話をしましたが、土曜日のため当直医が1人しかおらず、対応できないとして妊婦の受け入れを断りました。

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