日経メディカルのロゴ画像

情報の信頼性~ICTの急進展と情報の信頼性~

2009/04/27
一般社団法人 統合医療福祉中村直行研究室 中村直行

前回は、医療情報とは一体何なのかを、皆さんとご一緒に考えてみました。その結果、病気を予防したり、安全で安心できる医療が受けられるためには、正しい医療情報が有効活用される必要があることを認識しました。

では、20世紀末からのICT(Information Communication Technology:情報通信技術)の急進展により、様々な情報が飛び交う中で、得られた医療情報が正しいかそうでないのかをどのように見極めたらいいのでしょうか。

ICTの急進展に伴い、わが国のインターネット人口は9000万人を遙かに超えており、人口の7割以上がインターネットを利用していることになります。医療に関連する情報受発信の急加増も推測されます。

非医療者である一般の人々や患者の中には、テレビ・ラジオや書誌、さらにはインターネット上の情報を利用して医療に関する情報を集め、医療機関や疾患の治療方法を選択する場合もあるでしょう。

ところが、入手した情報が正しいかそうでないかを非医療者が見極めるのは必ずしも容易とは言い切れません。

患者やご家族も医療情報を入手

具体例を引き合いに出してみましょう。あなたのご伴侶が、ファーストフード店で購入したハンバーガーを子供達と一緒に食べた夜、子供達は何でもなかったのに体調が悪くなり数時間後に嘔吐したとします。

家庭にある常備薬で対症するものの、心配になり家庭医学書を読んだりインターネットで「嘔吐」を検索したりして調べることがあるかもしれません。

嘔吐に関連する病気を調べた結果、そこに、くも膜下出血、急性胆のう炎、急性肝炎、胃ポリープ、急性すい炎、胃潰瘍、胃炎、急性虫垂炎、脂肪肝、肺炎等々の病名が具体的な症状と共に記載されている場合もあるでしょう。

嘔吐以外の症状も確認しながら、消去法で思い当たる疾患名を絞り込んでいきますが、なかなか特定できずに最終的に近隣のクリニックへ診察してもらいに出掛けたとします。

前回もご紹介したように、医師はあなたに「どうされましたか」と問いかけ、あなたは前述の症状を伝えます。そして、医師とあなたとの間で質疑応答が繰り返され、医師の判断により検査が必要と思われれば検査をし、そうでなければ処方箋をもらい「これで暫く様子をみてみましょう」ということになることもあるでしょう。

症状が改善されなければ再度クリニックを訪れ、検査をした結果、残念ながらクルッケンベルグという悪性腫瘍に罹患している疑いがある旨を医師から伝えられたとすると、あなたは再び家庭医学書を読んだりインターネットで調べたりすることもあると思われます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ