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「うつ病」いかなる病気なのでしょうか?

2009/06/21
大西秀樹

稀な病気ではない
 うつ病は人口の5%程度、つまり20人に1人ぐらいの割合でいることが知られています。ですから、稀な病気ではないのです。

 100人の職場であれば数人のうつ病患者さんがいてもなんら不思議ではありません。職場にうつ病患者さんがいるのは当然のことなのです。ですから、職場でうつ病患者さんが出たときの対策を考えておくことは大切だと言えましょう。

身体の症状が中心。わかりにくい病気
 うつ病だから、心の症状が中心と考えるかもしれません。しかし、患者さんが訴える症状の多くは、『身体がだるい』、『食欲がない』など身体症状が多いのです。このため、うつ病患者さんの多くは、内科など精神科以外の科を受診します。内科的での血液検査などでは通常異常がないので、そのままになってしまうことも多いと言われています。

周囲に気づかれない
 今まで説明しましたように、患者さんの訴えは身体症状が中心です。ですから、周囲の人は患者さんがうつ病になっているとは分からないままに接していることが多くなります。そのため、「もう少しがんばりなさい」など、辛い状態にあるうつ病患者さんを叱咤激励することも稀ではありません。

誤解が多い
 うつ病は身体の症状が多いが、内科での検査に異常がなく、会社では仕事の能率が悪く、遅刻が増え、休みがちになることも多いので、「あいつは怠けている」、「心が弱いからこうなるのだ」などと誤解され、本人はさらに苦しむことになります。

 うつ病は先に述べましたように、脳の病気ですから休養と薬物療法が必要です。しかし、周囲はうつ病と気づいていないので、「気分転換に散歩に出かけましょう」などと外に連れ出され、休養できなくなり症状が悪化するということが多くみられます。

 患者さん自身も、こうなったのは私が弱いからだと考えて、「もっとしっかりしなければ」とがんばってしまい、症状を悪化させることも稀ではありません。

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