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やさしい心理学から学ぶ対人関係ストレス緩和法

2009/06/29
水木 さとみ

カウンセリングケースから学ぶ自己コントロール

 では、実際のカウンセリングケースを通して、新たな認識を取り入れる方法をご紹介したいと思います。

 患者さんは、頭重感や首、肩の凝り・胃痛などの身体症状も現れ、睡眠困難から気分・意欲・集中力の低下を伴い、仕事上のミスも目立つようになっていたという30歳代・女性・OLでした。

 「これ以上無理しないで、休養をとった方がいいわ。みんなも心配しているから」と、同僚から言われたことがきっかけで、クライアントは強い不安を抱くようになったと言います。

 クライアントの言う不安とは、「同僚の発言から、私が関わることで周囲に迷惑をかけているのではないか。私は邪魔な存在だと周囲は感じているのではないか。このままでは、職場の中でも存在感を失ってしまうのではないか」というものでした。

 ここで、ものの見方・感じ方について、クライアントと共に、一緒に考えてみることにしました。

最初のクライアントの思考

 「同僚の発言から、私が関わることで周囲に迷惑をかけているのではないか。私は邪魔な存在だと周囲は感じているのではないか。このままでは、職場の中でも存在感を失ってしまうのではないか」

 これは、クライアントが最初に頭の中で生じる思考です。人は誰でも自分に降りかかる出来事を通して、何かを感じ、何かを思います。一番初めに頭の中で感じることや思う事、その多くは、その人の感じ方や考え方のクセでもあります。

“ものの考え方やとらえ方は不確かなものである”といったことを前提に、ここで、それに変わる様々な感じ方・考え方を挙げてもらいます。

それに代わるプラス面からの思考とは?

 最初に出た思考のほかに“プラス面に感じられる”考え方、あるいは“自分にとって楽になる”考え方はないかとクライアントに聞いてみました。

<クライアントの発言>
「同僚の言葉は、自分の状態を見て、気遣った配慮なのかもしれない」
「疲れている自分を心配してくれて言ってくれたのかもしれない」
「職場にうつ病になった人もいたことから、同じ事を繰り返してはいけないと思ったのかもしれない」
「頑張り続けている自分を、これ以上、見ていられなかったのかもしれない」

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