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やさしい心理学から学ぶ対人関係ストレス緩和法

2009/06/29
水木 さとみ

 このことからも、人との関係性の中で抱く他者への印象は、それぞれ異なり、思い込みや誤解も生じえること、他者を理解するということは決して簡単ではなく、完全ではなく、絶対的ではないことをまず理解して頂くことにしています。

人との「違い」は「間違い」ではない

 では、何故、このような「違い」があるのでしょうか?

 私たちは皆、今まで生きてきた人生のなかで多くのことを学んできました。幼い頃、両親から教えられてきたこと、周囲の大人から教えられたとこ、兄弟を通して学んだこと、友人や教師との関わりといった体験、あるいは書物やメディア、あらゆる情報から多くの学習をしてきています。そして、私たちは、人それぞれ独自の“自己概念”を形成してきました。「~こうあるべき」「~こうするべき」といった概念です。

 人生の体験・学習は、人の数だけ異なりますので、当然、概念もそれぞれ独自にもっています。他者に対する感じ方は、こうした自己概念というフィルターを通して認識しているため、人それぞれ、感じ方には違いがあるわけです。

 大切なことは、こうした人と人の「違い」は「違い」であって、決して「間違いではない」ということです。

 この人と人との「違い」を受け止め、前向きにとらえることで、心の成長を促します。個人レベルでは、似たような性格傾向の人とは、考え方や意見も合うことから、その関係性は心地よく、快適な状態が保たれるでしょう。しかし、それ以上の成長はなく、逆に、自分とは違う性格傾向の人と接することで、そこから学ぶことで、新たな考え方・とらえ方を身につけていくことで自分を高めていくことができます。

 組織レベルにおいても、同じ行動パターンをもつ人の集まりは、思考もワンパターン化する傾向にありますが、様々なパーソナリティーをもつ人材が集まることで、新たな展開を見出し、組織力を高めていくことが可能になります。

 こうした考えは、自分の考えを抑えることでも、自らを否定することでもありません。自らの行動パターンを大切にもった上で、様々な考え方やとらえ方を積み重ねることで、視野が広がり、あらゆる環境のなかでの対人関係におけるストレスをミニマムにしていくこととなっていくことを意味します。

 しかしながら、この“人と人との違い”は、時として、摩擦や衝突となって、ストレスを招いていくことは少なくありません。

 では、次に、そうした対人関係におけるストレスマネジメントについてお話しましょう。

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