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ストレスが招く情緒的過食

2009/04/04
水木 さとみ

(2)イメージを活用したリラクセーション

 リラクセーションをさらに深める方法としてイメージを活用すると効果的です。「何故、イメージなのか」ということを解説することにしましょう。例えば、心臓を速く動かそうとしても不可能です。心臓は不随筋なので言葉の意思には従いません。

 しかし、過去における怖い出来事を頭のなかで再現し、あたかもそこにいるかのように感じたら、心臓は自然にバクバクと速く動き出します。満員電車が苦手な方、パニック発作の傾向にある方は経験あるかと思いますが、「電車に乗っている間に、呼吸が苦しくなったらどうしよう」「途中下車できなくなって倒れたらそうしよう」などと頭のなかで様々な予期する不安を想像することで、呼吸は浅く速なり、心臓の動きを速め、緊張を高めていきます。

 つまり、頭の中に描くイメージが身体に影響し、症状を導いてしまうのです。自律神経も同様に言葉の意思には従いません。しかし、イメージにはとても好意的にはたらいてくれます。

 例えば、南国の海に自分がいるとイメージしてみて下さい。あたかもそこにいるかのように体験的に感じるのです。白い砂浜に大の字になって寝ている自分をイメージして下さい。背中から感じる砂の感触と温かさ。その場所で感じられる新鮮な潮の香り。肌から伝わる心地の良い風の感触。ひいては押寄せる波の音。その場所で感じる全ての心地の良い感覚は五感を通して味わいます。

 この方法は、副交感神経のはたらきを優位にさせ、深いリラクセーションが得られます。最初は、部屋で自分だけの大切な空間・時間をつくり、ソファーに寝ながら試してみると良いでしょう。呼吸は、ゆっくりと鼻から息を吸い口から吐き出すのが理想ですが、あまり呼吸にとらわれないで、自分にとって心地の良い呼吸を続けていくと良いでしょう。

 また、ヒーリングミュージックなどを聴きながら、胸の上にはアロマを数滴たらしたハンカチを置いておくことで相乗効果が期待できます。この方法を習慣的に繰り返し実施することで、心地の良い感覚が身体的に記憶されていきます。首・肩の凝りといった筋緊張の緩和や自律神経系のバランスを整えるリラクセーションとして最も効果的な手段といえるでしょう。

 ストレスマネジメントは、ご自分にとって最も心地よいと思われる方法を取り入れることが良いでしょう。「毎日やらなくてはいけない」という意志で続ける方法は、かえって逆効果です。疲れた心と身体へのサプリメント・・・そんな感覚で是非楽しんでみて下さい。

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