日経メディカルのロゴ画像

事業仕分けで“健康保険の適応外”の方向、となった漢方薬。反対意見も多いが、現状を知ると納得できる部分もある。

2010/01/18
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

漢方薬が本当に必要な人もいれば、ビタミン剤的に漢方薬を使っている人もいる。これが現状。

月経困難症で漢方薬を使う女性は、「保険が使えないとお金がきびしい……」と言う。


「漢方薬に保険が使えなくなっちゃうかもしれないんだって。困るよ~」。
日頃、ニュースにほとんど関心を示さない女友達が大騒ぎをしている。医療現場で広く使われている漢方薬が、民主党の「仕分け事業」で健康保険適用外の方向とされることになった。友人は30代独身。月経困難症(いわゆる生理痛)で漢方薬を20代の頃から服用してきた。

症状が悪化したのは大学生の時。就職してからは生理の初日、仕事に行けなくなった。痛みがひどく、ベッドでのたうちまわらなければならなかった。薬局で購入した鎮痛薬はやがて効かなくなった。しかも、副作用で飲むと吐き気がひどくなる。婦人科では子宮を中心にいろんな検査を受けたが、「異常なし」。鎮痛薬を処方されて終わりだった。

なんとかほかに良い治療法はないものか、とたどり着いた先が漢方治療だった。服用して最初の月経から効果は得られた。服用を続けているうち、痛みがやわらぎ、会社も休まずにすむようになった。
漢方では食養生も大事といわれているが、主治医は食べ物についても詳細なアドバイスをしてくれる。これをきちんと守ったこともあり、月経時に併発する冷えや頭痛なども起こらなくなった。

「漢方薬のおかげで元気になれた」と彼女はいう。「これからも飲み続けたい。でも、お給料も安いし、保険が使えなくなったら、きびしいかなぁ……」。
彼女のように漢方薬が最後の砦となっているケースも多い。こうした話を聞けば、「保険の適用から外すのはやはり、問題なんじゃないか?」と思えてくる。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ