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「腰痛になったとき、患者はなぜ整形外科ではなく、鍼灸などに頼るのか?」

2009/12/18
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

「痛みを理解してもらえない」「鎮痛剤だけ出されて終わり」。……整形外科に対する患者の不満。理解を得るために医師がすべきことは何か?

急な腰痛に苦しむ中年女性。
「整形外科はダメ。どこか良い鍼灸院を教えて」といわれて……。


「突然、ひどい腰痛になっちゃって。どこかいい鍼灸院を知らない?」

先日、お世話になっている中年女性からこんな相談を受けた。私はまず、整形外科できちんと腰痛の原因を診断してもらうことを奨めた。以前、整形外科の専門医たちに取材をしたときに、診断を受けずに民間療法に行くことの危険性について口を酸っぱくして言われていたせいもある。

民間療法の中でも整体、鍼灸、按摩、指圧の施術には国家資格が必要で、きちんと勉強をした熱心な治療者も多いけれど、彼らが持つ資格は医業類似行為と呼ばれるもので、症状を改善する処置はできても、その症状がどこから来ているかという診断、治療は原則としてできない。

そのため、いきなり民間療法に行っては大事な病気が見逃されることや、適切な治療が受けられない可能性がある。

ある整形外科医は、
「鍼灸で腰痛が治らない、とやってきた患者さんを検査したらがんの骨転移だった」
と、実際の画像を見せてくれた。痛みのひどいときにマッサージなどを受けて病状が悪化する例もしばしばあるそうだ。

こうした話をその女性にしてみたのだが彼女はこう言い切った。
「いいえ、鍼灸がいいの。腰痛は病院じゃよくならないわよ」

こうした問題は整形外科医の間で昔からいわれてきた。
「下手に施術を受けて悪化することもある」と整形外科医がいくら警告しても、患者の多くが民間療法に流れてしまう。鍼などを受けながら、定期的に診断を受けてくれればよいのだが、たいていの場合、2度と受診してくれない。
「経営面にも問題が出てくる」と危機感を募らせている整形外科医も多い。

なぜこのようなことが起こるのか?

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