日経メディカルのロゴ画像

「嫌がらずに診てもらえるの?」~新型インフルの大流行目前に~

2009/10/06
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

受診拒否ムードに受診を躊躇する人も


診断キットの不足も危惧されている中、もろ手をあげて案内できないのも事実だろう。入院の必要な患者をどうするかなど、流行時の混乱はすでに指摘されている。しかし、こうした「受診拒否ムード」が患者側に早期に病院へ行くことを躊躇させてしまう危険もある。

報道では「熱があるだけで慌てて病院にかけこむ患者も多い」などと紹介されているが、私の見た限り、そうともいえない。

「医者に嫌な顔をされるかもしれないし」と、躊躇してしまう患者はけっこういそうだ。友人(男性30代)もその1人。9月上旬に風邪の症状と発熱があったが、「それほどひどくないし、ときどきかかっている内科の先生にはなんかいいにくいんだよね」
と、受診をしないままだった。まもなく治癒したからよかったようなものの、「実は新型だった」ということであれば大変だった。

重症化の危険はもちろん、彼はその間にも職場に行っていたわけで、周囲に感染を広げてしまっていた可能性もある。こっちのほうがやっかいだ。

ちなみに冒頭で紹介したケースでは患者の小学生が発熱した直後に電話をかけ、指定の時間に受診をした。 主治医からは「発病直後だと診断キットで陽性か陰性かがきちんとでないんです。明日もう1回調べましょう」といわれた。

翌日は日曜日だったが、主治医は出てくるという。ほかにも新型の疑いのある子どもが複数いるので、「来院時間を電話しますから、待っていてください」とのことで、なんと電話をかけてきたのはその医師本人だった。

当然、クリニックにもスタッフはおらず、主治医1人だけ。いつもと変わらず、たんたんと診察をしてくれるその姿に母親は感動したという。

結果は陰性で新型の疑いは晴れ、熱もすぐに下がったが、
「あの先生がいれば新型にかかっても安心。かかりつけにしておいて本当によかった」
ということだった。

とはいえ、「行ってみないとどんな対応をされるかわからない」というのでは、やはり不安だ。普通の風邪ならともかく、新型インフルエンザで「ここは対応が悪いから別の病院へ」というのも避けたいし。

医者の姿勢として新型インフルエンザ患者をきちんと見ようという気持ちがあり、それなりに体制の整えられる機関は、「患者ウェルカム」だという姿勢をもう少し具体的に発信してはもらえないだろうか。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ