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早期発見が重要といわれる乳がん。なのに、担当の医師から「症状がないのに来たの?」と嫌味をいわれて……

2009/08/25
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

乳がん検診が啓蒙されてはいるが、受け入れ体制は施設によって温度差が。背景には、地域の医療格差、専門医の不足が。

勇気を持って検診を受けに行ったのに、なぜ担当医師は患者が傷つくような言い方をしたのか?

アラフォー世代の親友A子は最近、乳がん検診を思い立った。触診による検診は受けたことがあったが本格的な検査は一度も受けたことがない。一方、最近は女性の乳がんが急増し、40代女性の死亡原因ではトップとなっている。女性誌などでもさかんに「マンモグラフィーによる検診」が推奨されている。そんなことから、意を決して、近くの総合病院に行ったのだという。

しかし、診察室に入ると担当の医師(50代)は、

「あなた、何か症状は?」
「いいえ」
「しこりとかは?」
親友が、
「特に症状はありません。ただ、乳がんが心配だったので検査を受けたいのです」
というとその医師は不機嫌そうにこういった。
「マンモグラフィは受けられるけど、(乳房の)エコー(超音波)はしばらく先になりますよ。あなたのような人がたくさん来るから、予約がとれないんです」

親友はこの言葉にショックで頭の中が真っ白になったという。でも、「乳がんは早期発見だといっているのに、このいいようはおかしい」と思い直した。そして、その医師に、
「症状がないのにくる人ってほかにどんな人なんでしょうか?」
と聞き直した。するとその医師は、
「80歳を過ぎた認知症の人とかですね」と吐き捨てるようにいったというのだ。
「つまり症状がないなら病院に来るな、ということよね。でも、それじゃあ早期発見はできないんじゃないかしら?いっていることがおかしい」親友は怒り心頭である。

このケースの背景には大きく2つの問題がありそうだ。まず、地方ならではの事情。親友の暮らす場所は地方の田舎町であり、総合病院はほとんどない。つまり、受診した施設は地域の核となる病院だ。当然、がんなど重い病気の人も多く、患者が集中する。
検診目的の患者がたくさん来てしまうと、そうした緊急を要する人の診療に支障をきたす可能性がある、という面は否定できない。

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