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笑わない婦人科医、その理由は?

2009/07/27
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

かたい表情で決して笑わない医師。
「失礼な人!」と思ったけれど、それには理由があった。

 自宅の近くに婦人科専門のクリニックがある。

 予約なしで当日でも診てもらえるということもあるのだろう(総合病院や大学病院の婦人科はほとんどが予約制で、有名な医師だと1カ月待たなければならないところもある)。いつも混んでいて、知り合いの女性の多くが1度はそこにかかっている。

 そこにとうとう私も受診することになった。それを聞いて友人の1人が「悪くはないけど、ちょっとねぇ」と首をかしげた。かかってみて、そのことがよくわかった。院長の表情がとにかく、硬いのだ。そして「笑み」などのなごやかな表情は一切なし。かといって機嫌が悪そうなわけでもないのだが……。

 私は子宮がん検診で行っただけだったので、「長いつきあいになるわけではないし」と、それほど気にもとめなかったが、数日後、「要精密検査」の結果が出たことから、みんなと同じように首をかしげることになる。

 院長は私の検診結果について、「がんの可能性が数パーセントあります」と硬さを通り越して深刻な表情でいう。「私の状態はそれほど深刻なのか!」。ショックで頭がまっ白になってしまったこともあり、結局、最後まで何も聞けないまま診察は終わってしまった。

 結局、検査の結果、心配がないことがわかったのだが、それまでの二週間余りは生きた心地がしなかったのも事実だ。
「院長があんなに気難しい表情をするからだ。笑顔で『結果が出るまではそんなに心配しない方がいい』と一言いってくれたらよかったのに」と思ったものだ。

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