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怒る医師は嫌い

2009/06/01
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

理由もなく怒りだす医師のいる病院に女性たちが大反発。 医師の態度がクリニックの評価に大きくかかわる現実。

 ある母親が子供(小学生)の急な発熱で近くのクリニックを受診した。おりしもインフルエンザ大流行の時期。インフルエンザの診断迅速診断キット(鼻粘膜や咽頭粘膜を綿棒で擦過し、綿棒についたウイルスの有無を調べる。約10~15分で結果が出る)で検査を受けたものの、「判定ラインがはっきりしないので、なんともいえません」とのこと。

 主治医は問診から、「普通の風邪でしょう」と診断した。しかし熱は数日続いた。次の受診でその母親は恐る恐る、
「もしかしてインフルエンザではなかったのでしょうか?」
 と質問した。すると主治医は急に怒り出し、これで診察は終わってしまったという。

 この噂はまたたくまに広がり、母親たちの間で、「おすすめできないクリニック」の烙印が押されてしまった。その理由は、「いきなり怒りだすのは、自分の間違いを指摘されたからだろう」「診断能力がないからだろう」というもの。

 実際はそうとはいいきれない。そもそも診断キットは精度が高いものの、確定診断ができないケースもある。インフルエンザに感染直後で体内のウイルス量が少ないと判定が難しいといわれていて、冒頭のように陽性か陰性かはっきりしない場合は、医師が患者を診て総合的に判断するしかない。

 その診断が違っていた可能性があったとしたら、こういってあげればよかったのだ。
「インフルエンザだったのかもしれませんね。でも、あの状態では診断が難しいのも事実です。それに、もし、インフルエンザだったとしても、安静にしていれば快方に向かいますから心配はありませんよ」

 ところがこの医師は説明するどころか、患者を怒ってしまったのだから、大失態といえるだろう。実際、この一件から、「あの病院では風邪を白血病と誤診された人がいる」など、いろんな噂話がついてまわることになった。こうした背景から少なからず、患者は離れて行ってしまっているのではないかと思われる。

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