日経メディカルのロゴ画像

聴診器くらいあててよ!

2009/05/16
21世紀医療フォーラム取材班 ライター 狩生聖子

聴診器をあてず、検査だけで異常を発見しようとする医師。
決して間違っていないが、患者は何か“物足りない”

 季節の変わり目は不調を訴える人が目立つ。友人の女性(40代、会社員)もその1人でひどく咳込んでいる。熱はないというがけっこうつらそうだ。普段は健康で、病院にあまり行かない。このため、ネットで探した近くのクリニックを初めて受診するということだった。

 数日後、友人と再び会う機会があったので、行った病院がどうだったかを聞いてみた。すると彼女は「うーん」と考えた末に一言、
「咳なのに、聴診器をあててもらえなかったの……」。

 クリニックはその日、かなり混んでいて、友人は1時間以上待たされての受診だった。目の前でマスクをはずし、ごほごほと咳き込んだ。「それなのに……」という。ちなみに主治医は長髪でなかなかのイケメン(推定30代前半)だったという。

 聴診器による診断は専門的には聴診法といわれる。心臓や肺の音を聴いて、さまざまな病気の診断ができることが知られている。調べてみると、消化管や血管などの病態も診断でき、血圧の測定にも有効だそうだ。これには驚いた。「聴診器恐るべし」である。

 しかし一方で、経験豊富な医師でないとその音を正しく聴き取れず、診断には役立てられないとも。こうした背景からか、若い医師には聴診にあまり熱心でない人も多いと聞く。さらに現代は最新の検査機器がたくさん登場している。これらをうまく活用すれば正しい診断が得られやすいのも確かである。

 前出の女性の場合もこのパターンだと思われる。聴診器こそあてられなかったが、血液検査を受け、肺のX線写真を撮ってもらった。結果、異常はなしで「風邪」と診断されたわけだ。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ