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女性患者には女医がいいのか

2009/03/07
医療コラムニスト 21世紀医療フォーラム取材班記者  狩生聖子

医師の性別を選ぶのではなく、専門医かどうかで選ぶ。
名ばかりの女性医師を広告塔にする例も

 一方で、「女性医師がいいとは限らない」という声ももちろんある。例えば産科では男性医師を希望する声が意外に多い。その理由として、

「男性医師のほうが頼りになる」
「出産で万が一というときに、女性医師だと家庭などプライベートを優先して、きちんと見てくれなさそう」 などがある。

重い症状で受診する場合の小児科やがんの専門医なども同じような意見が多い。女性が男性並みに働こうとすればさまざまな困難がつきまとう。このことが骨身にしみている同性ならではの感覚なのかもしれない。

 また、女性医師は女性患者に厳しい(はっきりものを言い過ぎる)という意見もある。子宮がん検診などに女性医師をおいているある医療機関によると、「女性医師の厳しい対応に関する苦情が年に数件、寄せられる」そうだ。

 私の友人にも、「女医さんをわざわざ選んで子宮がん検診に行ったのに、説明もなく、いきなり内診をされ、とにかくその医師は終始無言で……。とても気分が悪かった」というケースがあった。男女にかかわらず、患者に対する気配りができるかどうかが大事であることはいうまでもないが……。

 こうしたこともあり、私は「よい女性医師の選び方」を相談された場合、医師の専門をきちんと調べるようにアドバイスしている。

 例えば乳がん検診を受ける場合、担当の女性医師が乳房の専門家かどうか、検査技師の女性が「マンモグラフィ」の専門技術を持っているかどうか、などは欠かせない条件だろう。がんを見落とさないためには高度な画像の撮影技術や読影の能力が必要だからである。

そのためには、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の定める認定取得者かどうかを調べればよい。具体的には「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」「 同 医師」であるかどうかである。専門の医師であれば、納得の行く検査、説明を受けられる可能性が高いことはいうまでもない。

 名ばかりの女性医師をおき、これをPRに使っている医療機関もあるようだが、これこそ男女差別であり、女性医師にとっても、患者にとっても迷惑な話。女性医師のプロフィールをきちんと入れるなど、医療機関には、しっかりした情報提供を望みたい。

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