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検査値の異常値と正常値の違い

2009/06/05
21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

 この場合、Aさんの個人値は150〜175mg/dlと考えられ、この個人値を大きく逸脱したのが後半の5年間。個人値を大きく逸脱した段階で、たとえ、それが正常範囲にあったとしても、Aさんの体に何らかの異常が起きた可能性は高い。逆に個性値の範囲内にあれば、多少の変動に動揺する必要はないということになる。

良医は個性値を大事にする

 私たちの検査値の見方、健康への関心の持ち方、少し近視眼的かもしれない。測定値の数字にこだわりすぎて安心したり、心配したりを繰り返す愚を諭してくれた常連の主治医は、彼女にとっておそらく良医だろう。

 個人の変動幅を重視する検査値の見方は、毎日の食べ方にもあてはまる考え方である。コレステロールもアルコールも身の程を知って食べかつ飲む分には不都合はない。ブレーキを忘れた暴走車のごとく浴びるほど飲むからよくない。若い頃と同じようにステーキ200gを食べてしまうから自分の正常値を大きく逸脱するようなことが起こる。

 検査値に一喜一憂する前に、自らの食生活を振り返って「食べ方のスキル」を身につけることこそ肝心だろう。

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