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釣りバカ日誌の「浜ちゃん」が心筋梗塞と無縁なワケ

2009/05/22
医療コラムニスト 21世紀医療フォーラム取材班シニアライター 田野井真緒

ストレスは心筋梗塞の危険因子を増やす

 本人の自覚はともかく、タイプA行動パターンの人はストレスの負荷が強い。マンガでも佐々木さんが人間関係で悩む場面がしばしば登場する。マンガだからおもしろおかしく描かれているが、ストレスは血管を収縮させ、心拍数をあげ、心臓の収縮力を増して血圧を上昇させる。タイプAは接待などで暴飲暴食、イライラしてタバコの本数も増えやすい。高血圧、高コレステロール、喫煙は心筋梗塞の3大危険因子だ。

 もともと、ストレスは物理学の用語。たとえばスプリングを引き伸ばしたときにその物質の内部に生じた応力をさす。これを医学の世界にもちこんだのがカナダの生理学者・ハンス・セリエ。彼は、何らかの刺激によって生じた生体の歪みをストレスと表現した。
 生体に歪みをもたらす刺激にはどんなものがあるだろうか。

 たとえば、あなたが帰宅途中の暗がりで不良グループに襲われたら、逃げるか闘うかのどちらかの選択肢しかない。どちらにせよ、このときあなたの脈拍は速くなり、血管は収縮して血圧は上昇する。さらに、不意の攻撃に備えてエネルギーとなる糖分が血液中に増加する。

 これがストレス反応である。暴漢に襲われるというような一瞬の出来事なら、ストレス反応はやがて終息するが、人間関係のもつれをいつまでも引きずっていると、ストレス反応は慢性化する。慢性的なストレス反応、生体のゆがみは、やがて本格的な高血圧を招く。佐々木さんは血圧もかなり高いはず。小太りでもあり、メタボリック症候群もありそうだ。

一無二少三多主義のススメ

 タイプA行動パターンを修正するには、タニタ体重科学研究所長の池田義雄さん(元慈恵会大学教授)が提唱する一無二少三多主義がいいかもしれない。

 小説家の池波正太郎さんは『むかしの味』(新潮文庫)のなかで、「一日に少量のものをおさめ、いつでも、わずかな空腹をおぼえるように心がけている。それが体調にもっともよい」と書いている。

 どこかに仕事の種は落ちていないかとせかせか歩き、あれも食いたい、これも食べたいと、ミシュランガイドを眺めてはため息をつく私には耳が痛い言葉だ。

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