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「地域医療再生はいま」第2回
開院以来、24時間対応の救急医療を提供。研修制度を充実させ、若手医師を確保
~総合病院国保旭中央病院院長 吉田象二氏に聞く、千葉県北東部の地域医療

2010/06/17
インタビュー 総合病院国保旭中央病院院長 吉田象二氏

総合病院国保旭中央病院院長 吉田象二氏

千葉県の地域医療再生における喫緊の課題は、県内に9つある医療圏の状況をどのように立て直すかである。特に、県北東部の香取・海匝(かいそう)医療圏および県中東部の山武・長生・夷隅医療圏の2つは、医療体制が危機的な状況にある。第2回は、香取・海匝医療圏の中核病院である総合病院国保旭中央病院院長 吉田象二氏に、千葉県北東部、香取・海匝における地域医療再生の取り組みについて伺った。
(聞き手:日経BP BPnet編集プロデューサー 阪田英也、構成:21世紀医療フォーラム取材班 藤上 博)

開院当初から、
地域医療の基本を「救急医療」に置く


──旭中央病院の沿革と現状について教えていただけますか。

吉田 旭中央病院は、昭和28年(1953年)3月に、診療科目4科、113床で開院した市民病院です。初代病院長の諸橋芳夫先生は、当初から、「地域医療の基本(根本)は救急医療にある。病気はいかなる時でも起きるから、具合の悪い人を土日祭日、年末年始を含め24時間無休で誰でも診る」という理念を提唱しました。諸橋先生の書かれた13のビジョン(表1、抜粋)は、「全ては患者様のために」を基本理念に地域の人々の健康を守るために模範的な医療の提供にあります。全職員が、この理念を現在も継承しています。


総合病院国保旭病院の医療に対するビジョン


現在、当院の救急医療体制は、1次~3次の患者を24時間救命救急センターで対応することが基本であり、センター開設当時からヘリポートを設置しています。患者数は、年々増加傾向にあり、平成21年(2009年)度の救急患者は6万4000人に上ります。千葉県北東部、および茨城県南東部(鹿行地区)において、当院へ患者が集中してきていることは間違いない事実です。また、診療圏外からの救急以外の患者も増加傾向にあり、当院を中心とした30km圏内では、その診療圏人口は100万人になっています。


総合病院国保旭中央病院の救急患者数と救急車搬送数


──千葉県北東部に当たる香取・海匝医療圏はどのような特徴を持つ地域なのでしょうか。

吉田 香取・海匝医療圏は、その面積が716k㎡、圏域人口が31万5000人で高齢化率が25.4%の農村地帯です。1町を除く4市2町の全てに自治体病院があり、その内、銚子市立総合病院が休院しています。当院は、香取・海匝医療圏の中核病院として機能しています。

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