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千葉県の地域医療再生を実現するため、第1回「千葉県地域医療再生本部会議」が開催。

2010/06/10
取材:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子、構成:同 狩生聖子、文責:日経BP社BPNet編集プロデューサー 阪田英也

地域医療の歴史伝統を継続しながら
心のこもった再生計画の実現を


夷隅市長の太田洋氏も、「山武・長生・夷隅地区は縦長で、救急搬送の問題があるように、地域医療にとっては、非常に厳しい地域。しかし、こうした中でそれぞれに歴史や伝統を持つ医療機関がある。それぞれの医療機関が、これまで地域住民の命を守ってきたことを考えると、いくら機能分化、集約化といっても、これらを1つのものに統合するというのは私どもとしては悲しく、情けないことに思える。山武・長生・夷隅の人々が等しく医療を受けることを考えていただくと同時に、共存、共栄の考え方でこれらの地域を守ってほしい。そして、この事業を心のこもった真の医療再生計画としてほしい」と訴えた。

これに対し県からは、「県としては、全ての県民が同じサービスを受けるべきと考える。年度早々、各地域にお邪魔して各医療機関に相談をさせていただきたい。救急医療体制など、地域に合ったものを考えていきたい」と応じた。

一方、銚子市医師会長の間山春樹氏からは、「もともと県には千葉県の医療改革(保健医療計画)という構想がある。今回の交付金はいわば予定外に入ってきた軍資金のようなものだが、結局、このお金は2つの医療圏に限定されて使われるのか、それとも、県全体のために使うのか」との質問があった。

これに対し県は、「国からは2つのモデル医療圏を設定して、1つの地域に対して25億円、2地区で合計50億円と提示されている。計画上は2つの地域医療の問題と全県的な医師確保の事業を合わせて展開していく。モデル圏域でできたノウハウは今後、ほかの地域での課題の解決に役立つと考えている」と回答した。

この他、「病院間の連携」、「地域の病院の活用法」、また、計画に盛り込まれている「在宅医療のマンパワー育成を目的とした柏地区に設置される拠点施設」についての確認がなされた。この中で、柏の拠点施設は、東京大学が柏地区キャンパスに設置する「在宅医療教育・研修センター」を活用し、在宅医療に関する教育、研修や研究を行う機関である。

これについて、千葉県医師会理事の石川広己氏は、「千葉県柏市の施設は注目に値するが、在宅医療を高齢者医療とターミナルケアに分けた場合、後者の受け皿がない。これを基金の中で考えていく必要がある。両者をきちんとしないと千葉県全体の在宅医療は進まない。今後、この点については、再生本部でも議論をしていただきたいし、医師会でも検討をしていきたい」と語り、この発言を最後に、第1回目の会議は終了した。

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