日経メディカルのロゴ画像

千葉県の医療計画を審議する「千葉県医療審議会」が開催。地域医療再生を目指し、早急な計画実施を

2010/06/03
取材:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子、構成:同 狩生聖子、文責:日経BP社BPNet編集プロデューサー 阪田英也

報告後、医療再生計画の内容に関してあらためて質疑応答が行われた。千葉県医師会理事の石川広己氏からは、「5年は長いようで短い。特に医師確保の問題などは早急に議論を開始する必要がある。そうでないと、来年の後期研修医や初期研修医の獲得には間に合わない」との意見が出された。

これに対して県は、「医師確保については、平成22年度の予算に一部を組み込ませていただいた。医師、看護師の就学資金の貸付事業も計画され、二次救急医療の再生支援についても予算に盛り込んでいる。また、後期研修医の確保などについては、3月30日に開催される千葉県地域医療再生本部の第1回会議の開催直後から、関係者と話し合いを進め、早期の事業化に向けて進めていきたい」と述べた。

一方、国立大学法人千葉大学医学部附属病院長の河野陽一氏は、「医師確保、医師対策については、患者の動態を含めた上で20、30年のスパンで考える必要がある」という意見が出された。河野氏によれば千葉県における患者数は今後10、20年、確実に増えるが、その後は減少傾向が予想され、2040年からは医師数が過剰となるため、患者の人口動態を疾患別に把握し、慎重に計画する必要があるという。

全国的に注目される「千葉県共用地域連携パス」


また、全国第2位のスピードで高齢化が進む千葉県において特に重要視される在宅医療の問題について河野氏は、「医師だけではとても担うことができない。看護師などコメディカルなど総合的な医療人の育成が必要であり、それぞれの役割分担をきちんと考える必要がある」とも述べた。

会議の進行役を務めた千葉県医師会会長の藤森宗徳氏によれば、「全国的にも、簡単に医大を新設することには異論が出ている。医師を増やす必要はあるが、過剰になることもあり得るので慎重にする必要がある」。

こうした意見に対し、石川氏からは再度、「在宅医療を、高齢者とがんのターミナルケアに分けて考えた場合、後者を担う医師の目途は立っていない。病院の医師不足の問題は、喫緊の課題だが、在宅医療をどのように設計していくかも重要な問題だ」と語った。

千葉県看護協会会長・松永敏子氏からは、「看護師数の不足は、すでに深刻の状態をと通り越しています。ですから医師不足だけでなく、看護師の確保をもっともっと真剣に考えていただきたい」との訴えがあった。

県からは、「再生医療計画の区切りが平成25年ということから、医師対策としての就学資金贈呈についても、患者の動態を把握しながら、その都度、再評価する予定。在宅医療の重要性については看護師や栄養士、リハビリなどの職種との連携がとれるよう、動きたい」と回答があった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ